鼻高コメンテーターが言った。

「政教分離は世界の常識」

とんでもない。

政教分離の国は少ない。

利害得失(りがいそんとく)でまとまった、すべての、集団(→国)をまとめたのは、卑弥呼のような、神の声を聞く、シャーマンであった。

すなわち、世界の国は、はじめ、宗教と政治が一体であった。

人間の歴史は、宗教と政治が密接不可分の歴史であり、宗教と政治の相克(そうこく)の歴史である。

奈良時代、僧兵が朝廷を脅かす事態となって、桓武天皇は都を京都に移し、京都に寺院をつくることを禁止した。

政治家で宗教を利用しない者はいない。

宗教家で政治を利用しない者はいない。

政教分離という思想は、近代の思想で、現在でも政教分離の国は少ない。

政教分離の定義。

話の本質から離れるので、学者の外国の定義のわけのわからない翻訳は無視して、政治(≒政府)と宗教(≒教会•寺など)の分離(=干渉禁止)とする。

日本の鼻高は、政教分離の代表は、アメリカの属国(ぞっこく)らしく、フランスを無視して、アメリカと言う。

アメリカの憲法が政教分離を明記しているのは、民主主義の結果ではなく、カトリック支配のヨーロッパから逃げたプロテスタントが北アメリカ大陸の東北に国(≒州)をつくったからである。

(アメリカの憲法が銃の所持の自由を明記しているのは、銃を使って先住民を虐殺して国をつくったから)

日本国憲法が政教分離を明記しているのは、大日本帝国が無条件降伏して、アメリカが日本国憲法をつくったからである。

民主主義を知らない日本国民はもちろん、“政治屋“も政教分離を知らない。

薩長土肥下級藩士がつくった大日本帝国は、‘経典のない神道を国教にして、仏教徒の天皇を神道の教祖にした’、理解不能の「政教一体」であった。

 

*卑弥呼(ひみこ)=日本の最初の国の女王(とされている)。*シャーマン/シャマン=宗教的能力者。*僧兵(そうへい)=武器を持つ坊主。*桓武天皇(かんむてんのう)=737~806。日本の天皇。*薩長土肥(さっちょうどひ)=薩は、鹿児島県と宮崎県南西部。長は、山口県。土は、高知県。肥は、佐賀県と長崎県。*下級藩士(かきゅうはんし)=藩士で身分の低い者。*経典(きょうてん)=宗教で教義が書いてある本。ケイテン読みは別。*神道(しんとう)=神道は宗教ではない。経典のないアニミズムである。天皇を神道の教祖にしたのは、神道を国教にした大日本帝国をつくった薩長土肥下級藩士である。*国教(こっきょう)=国民が信仰しなければならない宗教。