もとプロレスラーの馳浩(はせひろし)が、自民党の国会議員になったこと、大臣になったことは、知っていたが、石川県知事だったことは知らなかった。

馳浩は、とことんバカなことを、東京都内の会合の講演で、言った。

『2021年の東京五輪招致の際に、総理だった安倍晋三さんに、「馳、国会を代表して、五輪招致は必ず勝ち取れ、カネはいくらでも出す、官房機密費もあるから」と言われ、官房機密費を使って、105名のIOC委員に対し、それぞれの選手の活躍した写真をまとめた1冊20万円のアルバムを作って、それを持って世界中を歩き回った』

日本のバカ新聞テレビの記事がプレスリリースで同じであるのは、仕方がない。

しかし、a・b・cはお笑いである。

a 馳の話は、招致の段階から「袖に下」が行われていたことを示す、衝撃の発言だ。

b IOCは倫理規定で五輪関係者への贈り物の授受を禁じている。

c 今年、海外に“五輪汚職”と報じられ、国内の大会スポンサーの選定に当たって贈収賄が明らかになった2020東京オリンピック。

① ル-モンドが「IOCの理事はダフ屋までしている」と告発したのは20年以上前である。

② フランスの検察庁は、IOCをブラック企業と見て、継続的に捜査して、各国に報告している。

③ 2020東京オリンピックでは、開催地決定にからむ、買収疑惑・マネーロンダリングで電通の名前が出て、日本にも報告があった。

(日本の検察庁は動かなかった)

“権力の道具であり、番記者という権力者の飼い犬のような記者がいる”と言われる、日本の記者クラブの記者が、“IOC・JOC・スポンサー・広告代理店がずぶずぶであること”を、知らないわけがない。

IOCがブラックなら、JOCもブラックである。

嘘八百の代言人(だいげんにん)橋下徹が、馳浩をかばっているポーズで安倍をかばっているのが、お笑いのお笑いである。

 

*IOC(あいおーしー)=国際オリンピック委員会。*プレスリリース/ニュースリリース=報道関係者向けの公式発表。*ル-モンド=フランスのパリにある知識層に影響力があると言われる新聞/新聞社。(すべて署名記事と言われる)。*電通(でんつう)=日本の大日本帝国時代からある独占的広告代理店。法律を守らないことを社是(しゃぜ)とするブラック企業である。*JOC(じぇーおーしー)=日本オリンピック委員会。IOCの代行者として大会の準備運営に当たる東京オリンピック組織委員会。*橋下徹(はしもととおる)=タレント。弁護士。もと大阪府知事。日本維新の会のもと代表。