fifth(フィフス)

 


「おい、ジャップ!大変

じゃないか?フィアンセに

婚約破棄されたって本当か?」

大理石の大豪邸の玄関で、

車椅子の留学生の横に居る

Amiが、洗剤拭きフラット

モップで奥から入口に向けて

拭き上げていた。モップを

床面に押し付けるように拭

き上げ、重度の汚れの箇所

はパッドホルダーに洗浄液

を含ませた白パッドを装着

し、集中的に、こすり洗い

をする。

庭では、少年たちが、ブラジル

の格闘技、カポエイラの

練習をしている。

車椅子の留学生は、心配

そうにAmi を見つめている。

「まぁ、ジャップはユニーク

だからな。他の奴らは俺達

黒人を見ると、怖がって

近づかないのに、ジャップは

昔から臆せずに近寄って

くれるし。。。

もしかして、俺達と付き合って

いるのが、原因か?」

壁面との境目、タイル目地

等はハンドパッドに洗浄液

をこすり洗いをしつつ、

Amiは

「ちげぇよ!心配するな。

東京大学ってところがある

らしくてな。あいつは頭

良いから、そこに行く為に

受験勉強したいんだってよ。


まあ、俺は見ての通り

ポンコツじゃん?

全身シルバーアクセだし、

ストリート系ファッション

の娘は向こうの親御さん

が厳しい方だから、付き合って

ると体裁が悪いらしくてな、

まあ、元々勉強を教えて

貰う代わりに付き合って

たぐらいだし、

釣り合って無かった。

まあ、俺は俺でお前ら

黒人が居心地の良い

国に日本を変える

夢があるし、あいつは

あいつでやりたい事

やりゃあ良いじゃん?

まあ、どうでもいいし。

おいおい、なんで、お前

が泣いてんの?寄せよ!」

すすり泣く車椅子の留学生

「ちげぇよ!ただ、うれしくてな。

畜生、俺がこんな身体じゃ

なかったら抱きしめて

やりたいよ。ありがとう。


全体の汚れが分離した後、

フロアードライヤーと

チリトリで床面の汚水を

回収する。

水拭きフラットモップで

残った水分を取り除き、

乾拭きフラットモップ

で仕上げる。

幅木に汚水が付いているので、

水拭きダスターで拭き取り、

「まあ、俺は諭吉と結婚

したいがな。今は渋沢

栄一だっけ?まあいいか。」

小遣い稼ぎを済まして

みんなに見送られつつ、

笑顔で微笑むAmiは去って

いった。
JK一匹狼の日常 #3 のサンプルです





GREEN SPOON ゴロゴロ野菜スープ