初売りセールで、
新しく一着欲しいと、ずっと思っていた冬のパジャマを購入しました。
もこもこした素材のパジャマで着てると安心します。
冬のパジャマ探しをして気付いたのですが、最近はタートルネックタイプの冬パジャマって少ないですね。
生地が暖かくて色合いが良いなぁ、と思って手に取って見てもスエットタイプかシャツタイプのものばかりで…
肩こりで冷え性な自分のパジャマとしては選べなくて、少し困りました。
そういう話を友人にしたら
「そう言えばタートルネックって、今あんまり言わないね。ハイネックって言うかな」
と言われて、
あ、そうだ、確かに衣服店の広告でもハイネック表示だと初めて気付いたんですよ。
それで、ふと
「そうだね、最近はとっくりもタートルネックも言う人少ないよね」って口にしたら、
「いや、さすがにとっくりはもう言わないよ(笑)。久し振りに聞いた」
と笑われてしまいました。
今の時代、首上まである衣服を「とっくり」と言うのは珍しいことなんですね。
わりと普通に使用してたので軽いショックを受けながらも、
「そうか、とっくりでもタートルじゃなくて、今はみんなハイネックって言うんだ。じゃ、若い子にとっくりやタートルネックって言っても意味が伝わらないかも知れないんだね。今はハイの時代なんだ…」
友人「うん、みんな〇〇より上にある丈のものはハイって言うね」
会話は続いて
「あ、そう言えば最近はオーバーニー(膝上まであるソックス)のこと、ニーハイって言うよね。あんまりオーバーニーって言わなくなったね。いつからニーハイが主流になったんだろう?」
と、意外なところに着目することになりました。
「私達が学生の頃はオーバーニーが主流だったはず」
「オーバーニーとニーハイは同じものだよね」
「ニーハイの方が言いやすいから?」
「何か、ニーハイって、ゲームキャラとかの二次元系女の子が履いてるイメージが強い言葉だよね」
「じゃ、ツンデレみたいな定着の仕方なのかな?」
「それあるかも。ニーハイとセットになる「絶対領域」が、まさにそんな感じ」
「絶対領域って何?」
「うーん、よく分からないんだけど、スカートとニーハイとの間の太もものことらしい」
「何で絶対領域って言うの?」
「わかんない」
「何かミニタリーっぽいって言うか、重々しいネーミングだね」
「そうだね」
「うーん、やっぱりオーバーって言うよりハイの方がパッと聞いて特徴を掴みやすいのかも」
「確かに判りやすいかも」
「じゃ、昔の方が頓智の効いたネーミングだったんだ。
思考を働かすって言うのかな?
ハイネックだからとっくり、とか、タートルネック(亀の首)って云う、対照となる物を挙げた表現で。
知らず知らず、想像力や語学力が鍛えられてたのかも知れないよね」
「ああ、うん。そうだね、誰でも判りやすい言葉を使うことと、表現の言葉を少なくするは別だものね。
判りやすい表現がいつも同じ言葉、って言う訳じゃないし、
湾曲してるように思える言葉の表現でも鮮明に解る形容表現はあるし」
「表現の統一でそうした語彙が失われるのは良くないね」
「語彙は文化だものね」
と云うところで、話は落ち着きました。
パジャマの話から語彙の必要性に移行して、初めて、最近はグローバル化の影響なのか(ネット用語やミニタリーチックな造語は増えていても)
日本語での物の表現が狭まって来ているのかな?
とも感じましたね。
物は持ち運べないものが有るけれど、言葉の表現は無限に持つ事が出来る。
その中から時や場に合った言葉を組み立てられる、
それは、どんな高価な宝石を所有するよりも価値の有る事だと思いました。
それにしても、ほんと、いつから「オーバーニー」と云う表現は減少し、主流「ニーハイ」になったんでしょう?
そこはまだ判らずじまいです(笑)。