「空蝉」木々に留まる生命の形を見掛けたら、ふと脳裏に浮かぶ日本の歌。「咲く花も時にうつろふ 空蝉も常なくありけり」(万葉集)「うつせみの世は うきものと知りにしを また言の葉にかかる命よ」(源氏物語・夕顔)「空蝉」の歌は、その音から想起されるように普遍的な切なさがありますが、地上の空の下へ、命ある限りその身をはばたかせる彼等の目覚め、その第一歩である葉に残る形而下の姿からは生命の「力」・「煌めき」を感じます。