先週の木曜金曜の2日間、荒尾競馬場に行ってきました。
金曜日には昨年度の最多勝利調教師、騎手の表彰式があり、そこで荒尾競馬組合管理者であり荒尾市長の挨拶がありました。
荒尾競馬は平成13年度以降累積赤字が膨らみ続けており、これまでも開催規模の縮小や賞金のカットなど様々な経営努力がされてきました。
しかし、ここ数年赤字の額は抑えられたものの黒字転換までには至らず、昨年、荒尾競馬の活性化や経営改善、今後のあり方などについて、第三者を含めて検討する“荒尾競馬あり方検討会”が設置されました。
荒尾市長のファンへの挨拶の中で、「昨年設置された“荒尾競馬あり方検討会”から提言がされまして、『平成22年、23年度までに収支均衡できなければ重大な決断をして下さい。これは、市民の世論だ。』ということでした。
今年は、荒尾競馬にとって最後の大きな山場となる1年です。」という大変重く深刻な言葉がありました。
この話をウィーナーズサークルの中で式の司会者として聴いていた僕は衝撃を受けました。
いや、この話を全く知らなかったわけではありません。
赤字が膨らんでいることも、第三者の視点から荒尾競馬を見直す検討会が行われていることも知っていましたが、荒尾競馬施行者のトップが表彰式の挨拶でこの話をしたということに衝撃を受けました。
・・・荒尾競馬の危機はもう目の前に迫っている。
日本全国にたくさんあった地方競馬は、2001年中津競馬の廃止を皮切りに、廃止の波は全国に飛び火しました。
翌2002年に三条と益田、03年に上山と足利、04年に高崎、05年に宇都宮、06年にばんえい3場(岩見沢、北見、旭川)そして08年旭川競馬が次々と廃止に追い込まれました。
自分が縁あって携わらせてもらっている荒尾競馬には、このような廃止への末路は絶対に辿らせたくはない!
荒尾で受けた衝撃をあと、その思いを強くし、色々とインターネットで調べてみると、“荒尾競馬あり方検討会”についての議事録や、各種参考資料が掲載されており、歴史や現状を把握するため少し勉強をしました。
開催日数自体が減っていることもありますが、売得金は10年前の約50%に減少、入場人員にいたっては約20%にまで落ち込んでいます。
その代わりインターネットを通じての売り上げは年々確実に伸びていて、5年前は売り上げ全体の約0.1%しかなかったインターネットでの売り上げが、昨年度は約16%を占めるまでになってきました。
荒尾競馬場に実際に足を運ぶファンは、ほとんど60歳以上の方と見受けられます。
しかし、インターネットでの発売が伸びていることもあってか、地元のファンだけではなく、インターネットを通じて荒尾競馬に魅力を感じてくれたファンが全国にいることを最近知りました。
荒尾競馬の予想ブログや荒尾競馬の存続を訴えるファンのブログなどもできています。
また、荒尾競馬では、1万円を出して自分で好きなレース名を付けることができる“冠協賛競走”があるのですが、それを利用するファンも確実に増えています。
自身の結婚記念であったり、お店の宣伝であったり・・・それ以外にも、昨年落馬負傷した吉田騎手の復帰を祈念するレースを組んでくださったり、先月には6年間にわたる荒尾競馬実況から卒業したアナウンサーへの惜別の意味を込めた競走を組んでくださったりという温かいファンもいます。
これまで有識者が知恵を振り絞っても出てこなかった改善策は、もしかするとファンがよく知っているのかもしれません。
これまでの荒尾競馬では、騎手とファンを繋ぐイベントはほとんど行われていないように思います。
競馬=ギャンブルの手段でしかない状況です。
市長も「これからはファンサービスに力を入れて」という話をされていましたが、例えば重賞レースや特別レースの勝利ジョッキーにヒーローインタビューをすることで騎手の声をファン届けることもできるでしょう。
全国のファンに向けて、騎手全員が交代でブログを書くといったことも、親しみを持ってもらうことに繋がり、ファン層が拡大するかもしれません。
人と人との繋がりを増やす・・・今ファンとファンが手と手を取り合って、荒尾競馬を何とかしたいという動きが出てきています。
今度は、関係者とファンとの繋がりをもっと増やすことが一つヒントになるのではないかと僕は考えています。
実際、騎手のコメントを場内テレビで流すなど競馬場側も少しずつ動き始めています。
しかし、残された時間は多くはありません。
僕も荒尾競馬のマイクを持つ者として、一人の荒尾競馬ファンとして、少しでもやれることをやっていきたいと感じました。
昭和3年に開設され、今年で82年の伝統と歴史を誇る荒尾競馬場。
微力ではありますが、「開設100年の記念レースは俺が喋ったる!」位の気持ちでますます頑張ります。