前回、贈与税の時効の話をさせていただきました。
所得税、贈与税、消費税については、時効は5年間(悪質な場合には6年間)とされているのに対して、贈与税は、時効が6年間(悪質な場合には7年間)とされています。
平成15年分からの取り扱いですが、贈与は限られた範囲で行われるものであることから、その事実をつかむことが困難であると説明されています。
ところで、税法は「贈与の事実」については、意外と緩やかな取り扱いを行っています。通達のなかに、「財産の名義変更があった場合」相続税基本通達9‐9(以下「9‐9」という)がそれですが、これらの通達は、贈与についていくつもの救済手段を提供しています。
9‐9は、「不動産、株式等の名義変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は原則として贈与として取り扱うものとする」とされています。
しかしながら、相続税関係個別通達では、「名義変更が行われた後にその取り消しがあった場合の贈与税の取扱」(昭39.5.23直審(資)22、直資68)通達と、さらに「名義変更が行われた後にその取り消しがあった場合の贈与税の取扱いについて」通達の運用(昭39.7.4直審(資)34.直審103)という通達の通達があります。
これらの通達は、贈与についていくつもの救済手段を提供しています。
いってみれば、三段重ねの通達が準備されているのは、贈与税の課税事案は相続税法の無知から行われることが多いという現実があるからだと思われます。
無知から行われた贈与ならば、それを取り消せば課税しないとされています。なお、取り消しはできるだけ早い方が好ましいのですが、通達の取扱いは、税務署が更正決定するまでは猶予されていることに留意すべきと思われます。
長くなりますので続きは次回の記事で述べます。