前回のすべてがFになる。
テーマパークで起きた連続殺人。
●1つは、腕だけを残して遺体が消える。
●1つは、完全なる密室で犯人が消えた。
犀川創平(綾野剛):
「事件の裏には、真賀田四季(早見あかり)博士が存在する。」
西之園萌絵(武井咲):
「ユーロパークのどこかにいるということですか?」
"しのえものそのしにこそのぞみかなう
よまさにさまようなかみぞのそこ"
西之園萌絵の死 (上を反対から読む)
真賀田四季博士からの伝言。
萌絵の婚約者、塙理生哉は真賀田四季と関係していた。
塙の罠にかかった萌絵はついに四季と対面するが
真賀田四季:「また人が死にます。」
萌絵:「もう、やめて下さい…。」と気を失う。
今回、続き…
萌絵は、ユーロパークの自分の部屋で目覚める。
犀川先生に出来事を話す。
萌絵:「犀川先生、これは夢ではないですよね。」
犀川:「少なくとも僕はそう認識している。」
萌絵:「現実ってなんでしょうか?」
犀川:「現実とは何か、そう考えた瞬間だけ人間の趣向に
表れる幻想だよ。そもそもそんなものは存在しない。」
※この考えすごいわあ…
萌絵:「現実なんてものに意味はないってことですか?
真賀田博士も同じような事おっしゃってました。
似てますね、先生と博士は。」
犀川が博士に言われた,
”あなたの構造は、私によく似ています。”を思い出す。
萌絵が刑事の鵜飼さんに真賀田四季がユーロパークに
いるから捜索してほしいとTELし愛知県警に電話して
すぐ手配してもらうと伝える。
ユーロパークに愛知県警芝池さん等くる。
萌絵が塙に、博士がどこにいるか聞くがごまかされる。
犀川先生が公衆電話から自分の大学の国枝(水沢エレナ)に
TELし、いま博士がパークにいるかもしれないから早めに来てる。
あとの事は頼むよ!と謎のメッセージを伝える。
ナノクラフトの副社長の藤原博(鈴木一真)が、
萌絵に話したいことがあると
萌絵も2人の死因について追及する…
と、2人は当時付き合っていたと判明。
犀川先生のいる公衆電話にTELが…すぐにとると、
犀川:「犀川です。」
博士:「盗聴されるとわかっていて、あえて電話をなさったのですね。」
犀川:「えぇ、誘いにのって頂き感謝しています。」…
萌絵と、藤原
藤原:「何故、社長は作り物の町を作ったのかわかりますか?
君を呼ぶためですよ、西之園萌絵という女の子と
ドラマチックに夢の国の教会で会いたかっただけなんです。」
塙から萌絵への:”ここでお会いしようと決めていました”を思い出す。
藤原:「正直、そのことで相当頭に来てる。ソフト開発をリードする
会社がこんなアナログな街をつくる為に巨額な喪失をするんだ。
まったく、馬鹿げてる。そうだ、君にいいものを見せてあげよう。」
えぇ、この人犯人だったら萌絵ちゃんやばい…
犀川:「博士は、ユーロパークに隠れているのですね。」
博士:「先生も隠れてたでしょう。」
犀川:「何故、僕に電話を」
博士:「西之園さんの事で忠告です。おせっかいでしょう。」
犀川:「彼女をどうするつもりですか。」
博士:「私の計算では、今日中に西之園さんは殺されます。
ホテルのエレベーターにお乗りになって。ご案内します。」
犀川先生は、博士によってエレベーターで地下へ
そこに塙も降りてきて、犀川先生は隠れ、部屋に入るのを確認する。
塙の入った所は、萌絵ちゃんが藤原に連れて来られた部屋だった。
塙:「藤原さん、どうゆうつもりですか?」
藤原:「大株主に、最先端の技術をお見せするだけですよ。」
藤原が別室で、1人のマスクをした女性の研究員に手伝ってもらい
ホログラム(レーザーを使って記録した立体画像)専用の装置を
付けて萌絵の前にホログラムとして現れる。
萌絵:「わあ、すごい。ホログラムですね。」
藤原:「もう少し若々しくしてほしいんですが、
寸分も狂わず再現されてしまうんですよ。」
萌絵:「隣の部屋での動きと連動してるんですね。えぇ、
現段階では一方通行ですが将来的には、
双方向になります。
どんなに離れていてもお会いする事が出来る。」
と、藤原の後ろに甲冑姿の騎士のホログラムがでてくる…
萌絵:「誰ですか?その人?」
藤原:「その人とは?」
萌絵:「甲冑姿の騎士が…」
言ったあとに、
甲冑姿の騎士が藤原の背中をナイフで刺し、藤原倒れる。
萌絵:「藤原さん?」
すると、甲冑姿の騎士が萌絵に近づき
萌絵:「誰?」
博士の声:「西之園さん」
ホログラムが、甲冑姿の騎士から真賀田四季博士へと変わる。
博士:「私はここにいる。あなたの中にだって入る
ことができる。封印された記憶の中にも。」
萌絵:「やめて」
博士が萌絵に近づく。
萌絵:「やめてーー!!」
萌絵の声を聞き、
塙:「西之園さん、どうしました。」
犀川先生が調整室の部屋へ入り、萌絵の側へ
犀川:「西之園くん×4…」
萌絵の思考の世界へ、
博士:「西之園さん、出ていらっしゃい。」
萌絵は、両親を不慮の事故で失った後の姿で現れる。
萌絵:「お父様とお母様は、死んだの?」
博士:「そうよ。」
萌絵:「私も?」
博士:「いいえ。あなたは、生きています。」
萌絵:「どうして?」
博士:「泣いているあなたを守って周りのみんなが
隠していたのよ。死にたがっているあなたを。」
萌絵:「私が死んだらどうなるの?」
博士:「違う誰かがあなたになるわ。あなたの代わりに泣くのよ。」
萌絵:「じゃあ、私だけ死なせて。お願い。」
博士:「死にたければしねばよい。そう、死は単なるリセット。」
萌絵が持ってたカッターを自分に向ける…その時、
犀川:「西之園くん×3」
萌絵:「犀川先生。」
萌絵が我に返り、目が覚める
萌絵:「先生。」
犀川:「大丈夫?」
萌絵:「真賀田博士が、私の中に入ってきたの。
死ねばいいって、それで私、自分で…」
犀川:「落ち着いて。もう大丈夫だから。」
塙も萌絵に近づき犀川へ
塙:「あなたは、犀川先生ですね。」
犀川:「突然お邪魔して、申し訳ありません。」
萌絵:「藤原さんがナイフで、甲冑姿の騎士が
現れて藤原さんが刺されたんです。」
塙:「でもそれは、ホログラムでしょう。
本当に刺された訳じゃありませんよ。」
と、何故か余裕の表情…
萌絵が藤原さんの部屋に行き、藤原さんが背中を刺され倒れていた。
犀川が死を確認。
犀川:「すぐに警察を。」
塙:「えっ?」 急に表情が驚きに変わる。
犀川:「殺されています。」
塙:「そんな、馬鹿な。」 慌てて脈を確認。
誰が理想ってやつなんだ これが理想てやつなんか~♬
愛知県警が捜査。
萌絵:「藤原さんを殺したのは、真賀田博士です。
甲冑の騎士は、真賀田博士でした。」
犀川:「君が見たのは、ホログラムだよ。」
萌絵:「殺害現場は、密室でした。また、不可能な殺人です。」
愛知県警芝池:「西之園さん。現場は、確認してきました。
また、おかしな事件ですね。」
萌絵:「藤原さんを刺した犯人は?」
芝池:「わかりません。ただ、調整室にいた女性の
研究員の1人が行方をくらましています。」
萌絵:「マスクをしていた人ですね。」
芝池:「彼女は、1ヵ月前に臨時採用した方で偽名を使っていました。
周辺は、検問を張っていますので逃げられないはずです。」
萌絵:「ここの建物のどこかに隠れてる可能性もあるのでは?」
芝池:「えぇ、なのでローラーをかけることにしました。ホテルの
宿泊客が本人確認の上別荘に移ってもらっています。」
塙と博士が教会で、
博士:「どうされました?顔色が優れないようですけど。」
塙:「博士には、こうなることが全てわかっていたのですね。」
博士:「えぇ、神様が作ったプログラムのエラーそれが人間です。
天才、塙理生哉はどうするのかしら。目撃してしまった
西之園萌絵さんと犀川先生を消去する、もしかして、
私まで殺すプランをお考えになっている?」
塙は、頭を抱え、怒り狂う…
萌絵:「もしかしたら、逃げたマスク姿の女性が
真賀田博士だったのではないでしょうか。」
犀川:「確かにその可能性は否定できない。」
萌絵:「1年前も妹さんに変装してましたもんね。」
ここで、犀川の大学の国枝と浜中(岡山天音)が来る。
犀川:「君たち、どうしてここに。」
浜中:「論文の作成で1日早く連れて来られて」
国枝:「強化合宿です。」
犀川:「国枝くん、まさかとは思うが僕たちの心配を…」
国枝:「いいえ、何が起きているのか知りたかっただけです。」
萌絵:「ユーロパーク内で、殺人事件が起きています。」
浜中:「殺人事件!?」
国枝:「もしかして、マスクをした女性が関係していますか?」
萌絵:「えっどうしてそれを?」
国枝:「湖の反対側で、先ほど見かけました。」
犀川と萌絵が走っていくと、マスクをした
女性が死体を置き車で逃げる。
犀川が遺体を確認し、無いはずの腕があることに疑問を抱える…
犀川の頭の中。
犀川:”作られた街。虚構と現実。闇の騎士。ちぎれた腕。
秘密のエレベーター。完全なる密室。不可能殺人。
ホログラム。我らの父より一片のパンを受けよ。
真賀田四季。まさに僕らは、夢を見せられてたということか。
認めなければならない。命題は証明された。”
萌絵:「犀川先生、大丈夫ですか?」
犀川:「行こう、西之園くん。」
塙の部屋へ犀川と萌絵がいく、
塙:「これは、これは、お似合いのお二人だ。」
萌絵:「塙さん、遺体が湖畔で発見されました。」
塙:「そうですか。湖にでも、捨てようとしていたのかな。」
犀川:「これで全て、あなたの計画はおしまいです。」
塙:「あなたは、わかったのですか?今回のカラクリが。」
犀川:「えぇ。」
塙:「全ては、西之園さんの為だったんですよ。ゲームの世界の
ように、現実の世界も自在に作れると思ってたんだけどなあ。」
犀川:「あなたは、真賀田博士を利用しようとしたのですね。」
塙が笑い出し、
塙:「一年前、一通のメールが届きました。差出人は、”真賀田四季”
最も神に近いと言われる天才プログラマー僕のビジネス
パートナーになりたいと申し出てきたんですよ。
僕がどれだけ興奮したか、わかりますか?あの、真賀田四季が
利用できると思った。でもね、神様を制御する事なんて、
人間にはできないんですよ。彼女こそが、本当の天才だ。
僕は、天才を装うのが得意な凡人にすぎない。」
と言い、飲んでいたワイングラスを地面に叩きつける。
萌絵:「塙さん。」
犀川:「塙さん、貸して頂きませんか?役員用のエレベーターに
乗れるパスを。真賀田博士に、会いに行きます。」
塙:「いいのですか、きっとこれも全て博士のプログラム通りですよ。」
犀川:「えぇ、でしょうね。」
犀川と萌絵で博士のいる教会へ
博士:「こんばんは。」
犀川:「真賀田博士。」
博士がツリーに飾られてるイルミネーションをみて、
博士:「綺麗でしょう。生命もまた、明滅を繰り返すのよ。」
ここで、フロントに刑事が付き、
監視カメラの映像が萌絵達のいる教会を写し、
真賀田四季がいるのを確認して向かう。
萌絵:「一年前の事件の後、博士は塙さんにかくまって
もらってずっとここに隠れていたのですね。」
博士:「えぇ、お二人が来るのを待っていました。」
ここで、教会に向かう刑事と萌絵のおじさまが
合流し教会へ行ったが誰もいない。
萌絵:「問題、解けちゃいました。ホテルの1Fから地下までおよそ4秒、
でも、今乗った役員用のエレベーターで地下からここまでが2秒
ほどしかかりませんでした。つまり、ここは地上ではなくまだ
地下。地上の教会の下に、全く同じ教会を作っていたの
ですね。だからこっちの教会は、天窓が割れていなかった。」
博士:「現実というものはどれほど無意味で、かつ、不安定な
虚像であるかということを少しは理解してもらえたかしら?」
萌絵:「この二日間、私たちが見たものは何だったんですか?」
博士:「犀川先生はもう、ご存じですね?」
犀川:「不可能な殺人が目の前で何度も起きました。しかし、
事実だけを積み上げれば、答えは自明です。」
萌絵:「事実だけ?」
犀川:「まず、地上の教会に遺体があった。そして次に、西之園くんの
みた時には遺体が消えていた。これだけが事実。新庄さんが
証言した、遺体が天窓から出たという発言や腕だけが落ちて
きたという現象は誰も確認していない。」
萌絵:「そうですね、それは嘘だった可能性もあります。」
犀川:「では、新庄さんが殺害された事件はどうか、あの部屋に、
犯人は隠れていなかった。窓も内側から鍵が閉まっていて
完全なる密室だった。これが事実。この事実から導き出せる
答えは一つしかない。新城さんは死んでいなかった。
殺されていなかったんだよ。」
萌絵:「えっそんな…」
犀川:「西之園くん、新庄さんの死を確認した?」
萌絵:「いいえ、でも芝池さんが…」
犀川:「僕は、君の観測だけを事実だと仮定している。その場合、
彼は嘘を付いていたと考えるのが妥当だ。彼だけじゃない、
警察も鑑識も救急隊員も全部偽物だと考えれば、
すべての不可解な現象に理由が付く。」
萌絵:「でも、途中で鵜飼さんにも連絡をしたんですよ。」
犀川:「盗聴されていたんだよ、県警本部に連絡が行く前に
芝池さんがフォローの電話をしていたんだよ。それで、
本部には自分から報告すると伝えた。そうして、外部
との連絡を絶ってユーロパークのスタッフを使った
壮大なお芝居を西之園くんにみせていたんだよ。」
萌絵:「お芝居?本当に殺されていたじゃないですか。」
犀川:「当初の計画は、誰も死ぬはずじゃなかった。殺害も全て嘘、
藤原さんが殺されたところで死んだと思っていた人々が
登場する。そんなシナリオだったはずだ。」
萌絵:「えっ、じゃあマスクの女性が新庄さんだったんですか。」
博士:「とても手の込んだいたずらでしょう。」
萌絵:「どうしてそんなこと…」
犀川:「西之園くんの興味を引くために、塙社長が仕掛けたんだ。」
萌絵:「でも、それが何故本当の殺人事件に?」
犀川:「犯人は、新庄さんです。」
萌絵:「新庄さんが?」
犀川:「新庄さんは、個人的な判断で計画を
変更し、本当に殺害してしまったんだ。」
萌絵:「どうしてそんなことを。」
博士:「個人的な恨みです。」
萌絵:「二人は交際していたから。何かあったということですか?」
博士:「実に平均的な理由なので、説明のしようがありません。」
犀川:「新庄さんは、お芝居の殺人を利用した。
本当に殺されたとは誰も思わないから。
そのあと、失踪したことにして葬り去ろうと考えていた。」
萌絵:「あっでも私が、遺体を確認してしまった。」
犀川:「新庄さんは驚いただろうね。まさか君が遺体に触れるとは
思ってなかったはずだ。彼女は事件を隠蔽するために、
新たな計画を用意しなければならなくなってしまった。」
萌絵:「新たな計画?」
犀川:「そう、だから彼女は、藤原さんを殺害した。あの時、
ホログラムに投影される前に、新庄さんはすでに
藤原さんを殺害していたんだよ。」
萌絵:「じゃあ、私の前に現れたのは…」
犀川:「新庄さんが予め映像と音声を用意しておいたんだ。
そしてあの時、塙社長は、お芝居が本当の殺人にすり
かわってることがようやくわかった。
ここまでやれば、塙社長は事件を隠蔽するだろう。
新庄さんはそう、予想していた。」
博士:「極めて脆弱な計画ですが、塙社長はそうしていたはずです。」
萌絵:「でも、そんなの私が黙っていません。」
博士:「その場合は、西之園さんが行方不明になっていたわ。」
萌絵:「私が殺されていたということですか?」
犀川:「だから藤原さんを殺害した現場に、僕を呼んだのですね。
今回の計画を立案したのは真賀田博士、あなただ。」
博士:「えぇ、虚構と現実の狭間を見極める実験でした。」
犀川:「あなたは、この計画が本当の殺人に
変わってしまうことに気づいていた。」
博士:「人間は、欠陥品ですから。」
萌絵:「何故私にこんなことを?」
博士:「西之園さんのユニークな構造を検証するためです。」
萌絵:「私の構造?」
博士:「あなたは両親の事故をきっかけに、自己防衛のために、
人の死に関する感情を闇雲に遮断している。
だから悲惨な死を目の当たりにしても、
あなたは平然と事件を調べる事ができた。」
萌絵:「そんな、勝手に決めないでください。」
博士:「そして、あなた自身も、内部では死を望んでいる。
あなたの精神の欠落は、私の幼い時に経験した
ものと類似したものでした。」
萌絵:「博士と同じ?」
博士:「だから、あなたがどうやってバランスを
とっているのか検証したかったの。」
萌絵:「答えは?」
博士:「犀川先生です。西之園さんは、死に向かおうとする対極に
犀川先生を置くことによって、不完全な自分を補っている。
あなた自身も気付いているはずです。自分が犀川先生の
存在によって生かされていることを。」
部屋にこもってる萌絵に、”一緒に問題を解こう。”との
メモと問題を見せ、萌絵はご飯を食べれるようになる。
萌絵は、それを思い出し泣く…
博士:「ようやく泣けましたね、西之園さん。もうあなたは大丈夫よ。」
犀川:「真賀田博士、あなたは、本当は西之園くんを救うために…」
※えっ、意外にいい人!?
博士:「西之園さん、もう犀川先生を解放してあげなさい。私の目的は
あなたです、犀川先生。あなたは、私と同じ構造をしている。
混ざっていない、善と悪、明と暗。いくつもの自分を持っている。
でも、あなたは西之園さんを守るために自分を犠牲にしている。
私は犀川先生に、自由になってほしかった。
犀川先生も本当は、それを望んでいるはずです。」
萌絵:「そんな…」
博士:「そうですよね?犀川先生。行きましょう、私と一緒に。」
萌絵:「待って先生。」
博士:「何にも邪魔されず、純粋に思考を楽しむ、理想の環境へ。」
犀川は、博士の方へと行く。
萌絵:「待ってください、先生。犀川先生、
待ってください。犀川先生×2…」
急に、教会内のライトが消える。2人がいなくなる…
そこに、刑事とおじさま合流。
博士と犀川が海岸沿いを歩く…
博士:「こうやって、あなたと何時間も歩きたかったのです。」
犀川:「僕もです、真賀田博士。」
博士:「どうして私はこんなことをするのでしょう。」
犀川:「僕はあなたに、憧れていました。あなたのように
生きたかった。あなたが見ている世界を、知りたかった。」
博士:「私達は、これからどこへ行くと思います?」
犀川:「どこへでも行けますね、人間の体は、時空を超える事は
できない。けれど、思考は自由です。どこへでも飛躍できます。」
博士:「もう、行動しなくてもいいのです。」
犀川:「えぇ、体を動かすことは、時間や
エネルギーの無駄ですからね。」
博士:「えぇ、生きている事じたいが無駄なの。犀川先生、
私はとっくに死んでいるんです。もう、世の中と
まじわうことも、一片のパンをかじる必要さえもない。
ただ、ひたすら思考の世界に没頭できるのです。」
犀川:「それは贅沢だ。本当の自由ですね。でも博士、
それはあまりに、孤独ではありませんか?」
博士:「孤独とは、他人を必要とする人間が抱く感情です。
この私に、誰かの助けが必要だと思いますか?」
犀川:「いえ、必要ありません。ただ僕は、あなたのように天才
ではない。人とまじわって、一片のパンをかじって、
生きていかなければなりません。」
博士:「もうお別れです、犀川先生。今度お会いする時は、
きっとどちらかが死んだときになるでしょう。」
犀川:「もう死んでいるのではないですか?」
博士:「えぇ、何回も。」
犀川:「僕も、あるいはそうかもしれません。」
博士:「もしも私が死んだら、先生はどうされます?」
犀川:「その一日、禁煙しましょう。」
博士:「もし先生が死んだら、私は泣いてみたい。
一度でいいから、泣いてみたい。」
犀川:「泣けるといいですね。」
博士:「えぇ」
犀川:「博士、これはお返ししておきます。」
と、博士の部屋にあったブロックを渡そうとする…
博士:「さようなら。」
犀川:「さようなら。」
萌絵は落ち込み、外で座り考え込む…
おじさま:「萌絵、中に入りなさい。」
萌絵:「犀川先生は?」
おじさま:「まだ、見つかっていない。」
萌絵:「おじさま、犀川先生は、ほんとにいたよね?」
おじさま:「えぇ」
萌絵:「いつも、私の側にいてくれたよね?」
おじさま:「何言ってるんだ。」
萌絵:「犀川先生は…」
と、木陰から犀川が現れる…
おじさま:「犀川先生…」
萌絵は、犀川の姿を見て走って歩み寄る。
萌絵:「犀川先生。」
犀川:「おはよう、西之園くん。」
萌絵:「どこへ行ってたのですか?」
犀川:「博士と海岸を歩いていた。」
萌絵:「えっ?」
犀川:「バーチャルの空間だけどね。」
犀川が博士にブロックを渡したが、ブロックが博士の手をすり抜けた。
犀川:「僕らが目にしていた博士は、ホログラムだ。
彼女は元々ユーロパークにはいなかったんだ。」
萌絵:「どうして戻ってきてくれたんですか?」
犀川:「ん?あぁ、お腹が空いたから。
ホログラムのパンでは、空腹は満たされないからね。」
萌絵:「誰とも混じらわずに、真賀田博士のように純粋に
思考するだけの世界で生きたいんじゃないんですか。」
犀川:「こう見えて僕は、案外属っぽいんだ。たとえばこれとかね。
タバコが吸えないのは困る。それに、誰かと食事をした方が
美味しいと思える事もある。さあ、朝食を一緒にとろう。」
萌絵:「ほんとにいいんですか?これからも私と一緒で。」
犀川:「西之園くん、その問題は重要ではない。」
萌絵:「えっ?」
犀川:「答えは、自明だ。」
萌絵が犀川に抱き付き、犀川も萌絵の背中に手をまわす。
大学で、浜中が国枝に修士論文を見せる。
浜中:「先生?」
国枝:「おっけー。」
浜中:「国枝先生。」
と、国枝に抱き付く。が、蹴られるw
浜中:「すいません。」
犀川の家で、儀同世津子(臼田あさ美)<犀川の妹役>
に殺人事件の現場で買ったお土産を渡す。
萌絵:「あっ先生、問題解けちゃいました。」
犀川:「何の問題…」
萌絵:「儀同さんにナノクラフトのゲームを教えた
のって、このお隣に住んでる方何ですよね?」
犀川:「だから?」
萌絵:「儀同さん、お隣さんのお名前は?」
儀同:「瀬戸さん、瀬戸千衣さんよ。昨日、引っ越しちゃったんだけどね。」
犀川:「せとちい…さかさに読むと、いちとせ…」
いちとせ(一年)のアナグラムであり、(一年=四季)であると気付いた。
萌絵:「春夏秋冬。つまり、四季という意味です。
真賀田博士は、このお隣の部屋にいたのではないでしょうか。」
犀川:「面白い仮説だ、検証してみよう。」
隣の部屋へいくと、鍵が開いており中へ入る。
萌絵:「先生、真賀田博士はやっぱりこの部屋にいたんですね。」
犀川:「汝、選ばれし者、ここに跪きて、」
萌絵:「我らの父より、一片のパンをうけよ」
と、机に置物と一片のパンがあった。
あぁ武井咲ちゃん可愛いし、綾野剛さん格好よかったあ❤
すべてがFになるも面白かったヾ(@°▽°@)ノ
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主題歌:ゲスの極み乙女。デジタルモグラ見る?
※上の文字を押すと、歌詞のページに行きます
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テーマパークで起きた連続殺人。
●1つは、腕だけを残して遺体が消える。
●1つは、完全なる密室で犯人が消えた。
犀川創平(綾野剛):
「事件の裏には、真賀田四季(早見あかり)博士が存在する。」
西之園萌絵(武井咲):
「ユーロパークのどこかにいるということですか?」
"しのえものそのしにこそのぞみかなう
よまさにさまようなかみぞのそこ"
西之園萌絵の死 (上を反対から読む)
真賀田四季博士からの伝言。
萌絵の婚約者、塙理生哉は真賀田四季と関係していた。
塙の罠にかかった萌絵はついに四季と対面するが
真賀田四季:「また人が死にます。」
萌絵:「もう、やめて下さい…。」と気を失う。
今回、続き…
萌絵は、ユーロパークの自分の部屋で目覚める。
犀川先生に出来事を話す。
萌絵:「犀川先生、これは夢ではないですよね。」
犀川:「少なくとも僕はそう認識している。」
萌絵:「現実ってなんでしょうか?」
犀川:「現実とは何か、そう考えた瞬間だけ人間の趣向に
表れる幻想だよ。そもそもそんなものは存在しない。」
※この考えすごいわあ…

萌絵:「現実なんてものに意味はないってことですか?
真賀田博士も同じような事おっしゃってました。
似てますね、先生と博士は。」
犀川が博士に言われた,
”あなたの構造は、私によく似ています。”を思い出す。
萌絵が刑事の鵜飼さんに真賀田四季がユーロパークに
いるから捜索してほしいとTELし愛知県警に電話して
すぐ手配してもらうと伝える。
ユーロパークに愛知県警芝池さん等くる。
萌絵が塙に、博士がどこにいるか聞くがごまかされる。
犀川先生が公衆電話から自分の大学の国枝(水沢エレナ)に
TELし、いま博士がパークにいるかもしれないから早めに来てる。
あとの事は頼むよ!と謎のメッセージを伝える。
ナノクラフトの副社長の藤原博(鈴木一真)が、
萌絵に話したいことがあると
萌絵も2人の死因について追及する…
と、2人は当時付き合っていたと判明。
犀川先生のいる公衆電話にTELが…すぐにとると、
犀川:「犀川です。」
博士:「盗聴されるとわかっていて、あえて電話をなさったのですね。」
犀川:「えぇ、誘いにのって頂き感謝しています。」…
萌絵と、藤原
藤原:「何故、社長は作り物の町を作ったのかわかりますか?
君を呼ぶためですよ、西之園萌絵という女の子と
ドラマチックに夢の国の教会で会いたかっただけなんです。」
塙から萌絵への:”ここでお会いしようと決めていました”を思い出す。
藤原:「正直、そのことで相当頭に来てる。ソフト開発をリードする
会社がこんなアナログな街をつくる為に巨額な喪失をするんだ。
まったく、馬鹿げてる。そうだ、君にいいものを見せてあげよう。」
えぇ、この人犯人だったら萌絵ちゃんやばい…

犀川:「博士は、ユーロパークに隠れているのですね。」
博士:「先生も隠れてたでしょう。」
犀川:「何故、僕に電話を」
博士:「西之園さんの事で忠告です。おせっかいでしょう。」
犀川:「彼女をどうするつもりですか。」
博士:「私の計算では、今日中に西之園さんは殺されます。
ホテルのエレベーターにお乗りになって。ご案内します。」
犀川先生は、博士によってエレベーターで地下へ
そこに塙も降りてきて、犀川先生は隠れ、部屋に入るのを確認する。
塙の入った所は、萌絵ちゃんが藤原に連れて来られた部屋だった。
塙:「藤原さん、どうゆうつもりですか?」
藤原:「大株主に、最先端の技術をお見せするだけですよ。」
藤原が別室で、1人のマスクをした女性の研究員に手伝ってもらい
ホログラム(レーザーを使って記録した立体画像)専用の装置を
付けて萌絵の前にホログラムとして現れる。
萌絵:「わあ、すごい。ホログラムですね。」
藤原:「もう少し若々しくしてほしいんですが、
寸分も狂わず再現されてしまうんですよ。」
萌絵:「隣の部屋での動きと連動してるんですね。えぇ、
現段階では一方通行ですが将来的には、
双方向になります。
どんなに離れていてもお会いする事が出来る。」
と、藤原の後ろに甲冑姿の騎士のホログラムがでてくる…
萌絵:「誰ですか?その人?」
藤原:「その人とは?」
萌絵:「甲冑姿の騎士が…」
言ったあとに、
甲冑姿の騎士が藤原の背中をナイフで刺し、藤原倒れる。
萌絵:「藤原さん?」
すると、甲冑姿の騎士が萌絵に近づき
萌絵:「誰?」
博士の声:「西之園さん」
ホログラムが、甲冑姿の騎士から真賀田四季博士へと変わる。
博士:「私はここにいる。あなたの中にだって入る
ことができる。封印された記憶の中にも。」
萌絵:「やめて」
博士が萌絵に近づく。
萌絵:「やめてーー!!」
萌絵の声を聞き、
塙:「西之園さん、どうしました。」
犀川先生が調整室の部屋へ入り、萌絵の側へ
犀川:「西之園くん×4…」
萌絵の思考の世界へ、
博士:「西之園さん、出ていらっしゃい。」
萌絵は、両親を不慮の事故で失った後の姿で現れる。
萌絵:「お父様とお母様は、死んだの?」
博士:「そうよ。」
萌絵:「私も?」
博士:「いいえ。あなたは、生きています。」
萌絵:「どうして?」
博士:「泣いているあなたを守って周りのみんなが
隠していたのよ。死にたがっているあなたを。」
萌絵:「私が死んだらどうなるの?」
博士:「違う誰かがあなたになるわ。あなたの代わりに泣くのよ。」
萌絵:「じゃあ、私だけ死なせて。お願い。」
博士:「死にたければしねばよい。そう、死は単なるリセット。」
萌絵が持ってたカッターを自分に向ける…その時、
犀川:「西之園くん×3」
萌絵:「犀川先生。」
萌絵が我に返り、目が覚める
萌絵:「先生。」
犀川:「大丈夫?」
萌絵:「真賀田博士が、私の中に入ってきたの。
死ねばいいって、それで私、自分で…」
犀川:「落ち着いて。もう大丈夫だから。」
塙も萌絵に近づき犀川へ
塙:「あなたは、犀川先生ですね。」
犀川:「突然お邪魔して、申し訳ありません。」
萌絵:「藤原さんがナイフで、甲冑姿の騎士が
現れて藤原さんが刺されたんです。」
塙:「でもそれは、ホログラムでしょう。
本当に刺された訳じゃありませんよ。」
と、何故か余裕の表情…
萌絵が藤原さんの部屋に行き、藤原さんが背中を刺され倒れていた。
犀川が死を確認。
犀川:「すぐに警察を。」
塙:「えっ?」 急に表情が驚きに変わる。
犀川:「殺されています。」
塙:「そんな、馬鹿な。」 慌てて脈を確認。
誰が理想ってやつなんだ これが理想てやつなんか~♬
愛知県警が捜査。
萌絵:「藤原さんを殺したのは、真賀田博士です。
甲冑の騎士は、真賀田博士でした。」
犀川:「君が見たのは、ホログラムだよ。」
萌絵:「殺害現場は、密室でした。また、不可能な殺人です。」
愛知県警芝池:「西之園さん。現場は、確認してきました。
また、おかしな事件ですね。」
萌絵:「藤原さんを刺した犯人は?」
芝池:「わかりません。ただ、調整室にいた女性の
研究員の1人が行方をくらましています。」
萌絵:「マスクをしていた人ですね。」
芝池:「彼女は、1ヵ月前に臨時採用した方で偽名を使っていました。
周辺は、検問を張っていますので逃げられないはずです。」
萌絵:「ここの建物のどこかに隠れてる可能性もあるのでは?」
芝池:「えぇ、なのでローラーをかけることにしました。ホテルの
宿泊客が本人確認の上別荘に移ってもらっています。」
塙と博士が教会で、
博士:「どうされました?顔色が優れないようですけど。」
塙:「博士には、こうなることが全てわかっていたのですね。」
博士:「えぇ、神様が作ったプログラムのエラーそれが人間です。
天才、塙理生哉はどうするのかしら。目撃してしまった
西之園萌絵さんと犀川先生を消去する、もしかして、
私まで殺すプランをお考えになっている?」
塙は、頭を抱え、怒り狂う…
萌絵:「もしかしたら、逃げたマスク姿の女性が
真賀田博士だったのではないでしょうか。」
犀川:「確かにその可能性は否定できない。」
萌絵:「1年前も妹さんに変装してましたもんね。」
ここで、犀川の大学の国枝と浜中(岡山天音)が来る。
犀川:「君たち、どうしてここに。」
浜中:「論文の作成で1日早く連れて来られて」
国枝:「強化合宿です。」
犀川:「国枝くん、まさかとは思うが僕たちの心配を…」
国枝:「いいえ、何が起きているのか知りたかっただけです。」
萌絵:「ユーロパーク内で、殺人事件が起きています。」
浜中:「殺人事件!?」
国枝:「もしかして、マスクをした女性が関係していますか?」
萌絵:「えっどうしてそれを?」
国枝:「湖の反対側で、先ほど見かけました。」
犀川と萌絵が走っていくと、マスクをした
女性が死体を置き車で逃げる。
犀川が遺体を確認し、無いはずの腕があることに疑問を抱える…
犀川の頭の中。
犀川:”作られた街。虚構と現実。闇の騎士。ちぎれた腕。
秘密のエレベーター。完全なる密室。不可能殺人。
ホログラム。我らの父より一片のパンを受けよ。
真賀田四季。まさに僕らは、夢を見せられてたということか。
認めなければならない。命題は証明された。”
萌絵:「犀川先生、大丈夫ですか?」
犀川:「行こう、西之園くん。」
塙の部屋へ犀川と萌絵がいく、
塙:「これは、これは、お似合いのお二人だ。」
萌絵:「塙さん、遺体が湖畔で発見されました。」
塙:「そうですか。湖にでも、捨てようとしていたのかな。」
犀川:「これで全て、あなたの計画はおしまいです。」
塙:「あなたは、わかったのですか?今回のカラクリが。」
犀川:「えぇ。」
塙:「全ては、西之園さんの為だったんですよ。ゲームの世界の
ように、現実の世界も自在に作れると思ってたんだけどなあ。」
犀川:「あなたは、真賀田博士を利用しようとしたのですね。」
塙が笑い出し、
塙:「一年前、一通のメールが届きました。差出人は、”真賀田四季”
最も神に近いと言われる天才プログラマー僕のビジネス
パートナーになりたいと申し出てきたんですよ。
僕がどれだけ興奮したか、わかりますか?あの、真賀田四季が
利用できると思った。でもね、神様を制御する事なんて、
人間にはできないんですよ。彼女こそが、本当の天才だ。
僕は、天才を装うのが得意な凡人にすぎない。」
と言い、飲んでいたワイングラスを地面に叩きつける。
萌絵:「塙さん。」
犀川:「塙さん、貸して頂きませんか?役員用のエレベーターに
乗れるパスを。真賀田博士に、会いに行きます。」
塙:「いいのですか、きっとこれも全て博士のプログラム通りですよ。」
犀川:「えぇ、でしょうね。」
犀川と萌絵で博士のいる教会へ
博士:「こんばんは。」
犀川:「真賀田博士。」
博士がツリーに飾られてるイルミネーションをみて、
博士:「綺麗でしょう。生命もまた、明滅を繰り返すのよ。」
ここで、フロントに刑事が付き、
監視カメラの映像が萌絵達のいる教会を写し、
真賀田四季がいるのを確認して向かう。
萌絵:「一年前の事件の後、博士は塙さんにかくまって
もらってずっとここに隠れていたのですね。」
博士:「えぇ、お二人が来るのを待っていました。」
ここで、教会に向かう刑事と萌絵のおじさまが
合流し教会へ行ったが誰もいない。
萌絵:「問題、解けちゃいました。ホテルの1Fから地下までおよそ4秒、
でも、今乗った役員用のエレベーターで地下からここまでが2秒
ほどしかかりませんでした。つまり、ここは地上ではなくまだ
地下。地上の教会の下に、全く同じ教会を作っていたの
ですね。だからこっちの教会は、天窓が割れていなかった。」
博士:「現実というものはどれほど無意味で、かつ、不安定な
虚像であるかということを少しは理解してもらえたかしら?」
萌絵:「この二日間、私たちが見たものは何だったんですか?」
博士:「犀川先生はもう、ご存じですね?」
犀川:「不可能な殺人が目の前で何度も起きました。しかし、
事実だけを積み上げれば、答えは自明です。」
萌絵:「事実だけ?」
犀川:「まず、地上の教会に遺体があった。そして次に、西之園くんの
みた時には遺体が消えていた。これだけが事実。新庄さんが
証言した、遺体が天窓から出たという発言や腕だけが落ちて
きたという現象は誰も確認していない。」
萌絵:「そうですね、それは嘘だった可能性もあります。」
犀川:「では、新庄さんが殺害された事件はどうか、あの部屋に、
犯人は隠れていなかった。窓も内側から鍵が閉まっていて
完全なる密室だった。これが事実。この事実から導き出せる
答えは一つしかない。新城さんは死んでいなかった。
殺されていなかったんだよ。」
萌絵:「えっそんな…」
犀川:「西之園くん、新庄さんの死を確認した?」
萌絵:「いいえ、でも芝池さんが…」
犀川:「僕は、君の観測だけを事実だと仮定している。その場合、
彼は嘘を付いていたと考えるのが妥当だ。彼だけじゃない、
警察も鑑識も救急隊員も全部偽物だと考えれば、
すべての不可解な現象に理由が付く。」
萌絵:「でも、途中で鵜飼さんにも連絡をしたんですよ。」
犀川:「盗聴されていたんだよ、県警本部に連絡が行く前に
芝池さんがフォローの電話をしていたんだよ。それで、
本部には自分から報告すると伝えた。そうして、外部
との連絡を絶ってユーロパークのスタッフを使った
壮大なお芝居を西之園くんにみせていたんだよ。」
萌絵:「お芝居?本当に殺されていたじゃないですか。」
犀川:「当初の計画は、誰も死ぬはずじゃなかった。殺害も全て嘘、
藤原さんが殺されたところで死んだと思っていた人々が
登場する。そんなシナリオだったはずだ。」
萌絵:「えっ、じゃあマスクの女性が新庄さんだったんですか。」
博士:「とても手の込んだいたずらでしょう。」
萌絵:「どうしてそんなこと…」
犀川:「西之園くんの興味を引くために、塙社長が仕掛けたんだ。」
萌絵:「でも、それが何故本当の殺人事件に?」
犀川:「犯人は、新庄さんです。」
萌絵:「新庄さんが?」
犀川:「新庄さんは、個人的な判断で計画を
変更し、本当に殺害してしまったんだ。」
萌絵:「どうしてそんなことを。」
博士:「個人的な恨みです。」
萌絵:「二人は交際していたから。何かあったということですか?」
博士:「実に平均的な理由なので、説明のしようがありません。」
犀川:「新庄さんは、お芝居の殺人を利用した。
本当に殺されたとは誰も思わないから。
そのあと、失踪したことにして葬り去ろうと考えていた。」
萌絵:「あっでも私が、遺体を確認してしまった。」
犀川:「新庄さんは驚いただろうね。まさか君が遺体に触れるとは
思ってなかったはずだ。彼女は事件を隠蔽するために、
新たな計画を用意しなければならなくなってしまった。」
萌絵:「新たな計画?」
犀川:「そう、だから彼女は、藤原さんを殺害した。あの時、
ホログラムに投影される前に、新庄さんはすでに
藤原さんを殺害していたんだよ。」
萌絵:「じゃあ、私の前に現れたのは…」
犀川:「新庄さんが予め映像と音声を用意しておいたんだ。
そしてあの時、塙社長は、お芝居が本当の殺人にすり
かわってることがようやくわかった。
ここまでやれば、塙社長は事件を隠蔽するだろう。
新庄さんはそう、予想していた。」
博士:「極めて脆弱な計画ですが、塙社長はそうしていたはずです。」
萌絵:「でも、そんなの私が黙っていません。」
博士:「その場合は、西之園さんが行方不明になっていたわ。」
萌絵:「私が殺されていたということですか?」
犀川:「だから藤原さんを殺害した現場に、僕を呼んだのですね。
今回の計画を立案したのは真賀田博士、あなただ。」
博士:「えぇ、虚構と現実の狭間を見極める実験でした。」
犀川:「あなたは、この計画が本当の殺人に
変わってしまうことに気づいていた。」
博士:「人間は、欠陥品ですから。」
萌絵:「何故私にこんなことを?」
博士:「西之園さんのユニークな構造を検証するためです。」
萌絵:「私の構造?」
博士:「あなたは両親の事故をきっかけに、自己防衛のために、
人の死に関する感情を闇雲に遮断している。
だから悲惨な死を目の当たりにしても、
あなたは平然と事件を調べる事ができた。」
萌絵:「そんな、勝手に決めないでください。」
博士:「そして、あなた自身も、内部では死を望んでいる。
あなたの精神の欠落は、私の幼い時に経験した
ものと類似したものでした。」
萌絵:「博士と同じ?」
博士:「だから、あなたがどうやってバランスを
とっているのか検証したかったの。」
萌絵:「答えは?」
博士:「犀川先生です。西之園さんは、死に向かおうとする対極に
犀川先生を置くことによって、不完全な自分を補っている。
あなた自身も気付いているはずです。自分が犀川先生の
存在によって生かされていることを。」
部屋にこもってる萌絵に、”一緒に問題を解こう。”との
メモと問題を見せ、萌絵はご飯を食べれるようになる。
萌絵は、それを思い出し泣く…
博士:「ようやく泣けましたね、西之園さん。もうあなたは大丈夫よ。」
犀川:「真賀田博士、あなたは、本当は西之園くんを救うために…」
※えっ、意外にいい人!?

博士:「西之園さん、もう犀川先生を解放してあげなさい。私の目的は
あなたです、犀川先生。あなたは、私と同じ構造をしている。
混ざっていない、善と悪、明と暗。いくつもの自分を持っている。
でも、あなたは西之園さんを守るために自分を犠牲にしている。
私は犀川先生に、自由になってほしかった。
犀川先生も本当は、それを望んでいるはずです。」
萌絵:「そんな…」
博士:「そうですよね?犀川先生。行きましょう、私と一緒に。」
萌絵:「待って先生。」
博士:「何にも邪魔されず、純粋に思考を楽しむ、理想の環境へ。」
犀川は、博士の方へと行く。
萌絵:「待ってください、先生。犀川先生、
待ってください。犀川先生×2…」
急に、教会内のライトが消える。2人がいなくなる…
そこに、刑事とおじさま合流。
博士と犀川が海岸沿いを歩く…
博士:「こうやって、あなたと何時間も歩きたかったのです。」
犀川:「僕もです、真賀田博士。」
博士:「どうして私はこんなことをするのでしょう。」
犀川:「僕はあなたに、憧れていました。あなたのように
生きたかった。あなたが見ている世界を、知りたかった。」
博士:「私達は、これからどこへ行くと思います?」
犀川:「どこへでも行けますね、人間の体は、時空を超える事は
できない。けれど、思考は自由です。どこへでも飛躍できます。」
博士:「もう、行動しなくてもいいのです。」
犀川:「えぇ、体を動かすことは、時間や
エネルギーの無駄ですからね。」
博士:「えぇ、生きている事じたいが無駄なの。犀川先生、
私はとっくに死んでいるんです。もう、世の中と
まじわうことも、一片のパンをかじる必要さえもない。
ただ、ひたすら思考の世界に没頭できるのです。」
犀川:「それは贅沢だ。本当の自由ですね。でも博士、
それはあまりに、孤独ではありませんか?」
博士:「孤独とは、他人を必要とする人間が抱く感情です。
この私に、誰かの助けが必要だと思いますか?」
犀川:「いえ、必要ありません。ただ僕は、あなたのように天才
ではない。人とまじわって、一片のパンをかじって、
生きていかなければなりません。」
博士:「もうお別れです、犀川先生。今度お会いする時は、
きっとどちらかが死んだときになるでしょう。」
犀川:「もう死んでいるのではないですか?」
博士:「えぇ、何回も。」
犀川:「僕も、あるいはそうかもしれません。」
博士:「もしも私が死んだら、先生はどうされます?」
犀川:「その一日、禁煙しましょう。」
博士:「もし先生が死んだら、私は泣いてみたい。
一度でいいから、泣いてみたい。」
犀川:「泣けるといいですね。」
博士:「えぇ」
犀川:「博士、これはお返ししておきます。」
と、博士の部屋にあったブロックを渡そうとする…
博士:「さようなら。」
犀川:「さようなら。」
萌絵は落ち込み、外で座り考え込む…
おじさま:「萌絵、中に入りなさい。」
萌絵:「犀川先生は?」
おじさま:「まだ、見つかっていない。」
萌絵:「おじさま、犀川先生は、ほんとにいたよね?」
おじさま:「えぇ」
萌絵:「いつも、私の側にいてくれたよね?」
おじさま:「何言ってるんだ。」
萌絵:「犀川先生は…」
と、木陰から犀川が現れる…
おじさま:「犀川先生…」
萌絵は、犀川の姿を見て走って歩み寄る。
萌絵:「犀川先生。」
犀川:「おはよう、西之園くん。」
萌絵:「どこへ行ってたのですか?」
犀川:「博士と海岸を歩いていた。」
萌絵:「えっ?」
犀川:「バーチャルの空間だけどね。」
犀川が博士にブロックを渡したが、ブロックが博士の手をすり抜けた。
犀川:「僕らが目にしていた博士は、ホログラムだ。
彼女は元々ユーロパークにはいなかったんだ。」
萌絵:「どうして戻ってきてくれたんですか?」
犀川:「ん?あぁ、お腹が空いたから。
ホログラムのパンでは、空腹は満たされないからね。」
萌絵:「誰とも混じらわずに、真賀田博士のように純粋に
思考するだけの世界で生きたいんじゃないんですか。」
犀川:「こう見えて僕は、案外属っぽいんだ。たとえばこれとかね。
タバコが吸えないのは困る。それに、誰かと食事をした方が
美味しいと思える事もある。さあ、朝食を一緒にとろう。」
萌絵:「ほんとにいいんですか?これからも私と一緒で。」
犀川:「西之園くん、その問題は重要ではない。」
萌絵:「えっ?」
犀川:「答えは、自明だ。」
萌絵が犀川に抱き付き、犀川も萌絵の背中に手をまわす。
大学で、浜中が国枝に修士論文を見せる。
浜中:「先生?」
国枝:「おっけー。」
浜中:「国枝先生。」
と、国枝に抱き付く。が、蹴られるw
浜中:「すいません。」
犀川の家で、儀同世津子(臼田あさ美)<犀川の妹役>
に殺人事件の現場で買ったお土産を渡す。
萌絵:「あっ先生、問題解けちゃいました。」
犀川:「何の問題…」
萌絵:「儀同さんにナノクラフトのゲームを教えた
のって、このお隣に住んでる方何ですよね?」
犀川:「だから?」
萌絵:「儀同さん、お隣さんのお名前は?」
儀同:「瀬戸さん、瀬戸千衣さんよ。昨日、引っ越しちゃったんだけどね。」
犀川:「せとちい…さかさに読むと、いちとせ…」
いちとせ(一年)のアナグラムであり、(一年=四季)であると気付いた。
萌絵:「春夏秋冬。つまり、四季という意味です。
真賀田博士は、このお隣の部屋にいたのではないでしょうか。」
犀川:「面白い仮説だ、検証してみよう。」
隣の部屋へいくと、鍵が開いており中へ入る。
萌絵:「先生、真賀田博士はやっぱりこの部屋にいたんですね。」
犀川:「汝、選ばれし者、ここに跪きて、」
萌絵:「我らの父より、一片のパンをうけよ」
と、机に置物と一片のパンがあった。
あぁ武井咲ちゃん可愛いし、綾野剛さん格好よかったあ❤
すべてがFになるも面白かったヾ(@°▽°@)ノ
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主題歌:ゲスの極み乙女。デジタルモグラ見る?

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