何でもシンを付けるな。映画 『シン・アナコンダ』 | コワれるまで ALLORA

何でもシンを付けるな。映画 『シン・アナコンダ』

モンスター・パニック映画というと、私好みのサメ映画ばかりではなく、哺乳類から爬虫類、昆虫類とか様々な生き物扱われ、それらが大型化・狂暴化して人間を襲う、というのが定番です。
(人間が襲われない映画ってのは無いか・・・)

ヘビの分野もけっこうあります。
ジャングルモンスターパニック、『アナコンダ』(1997年)がヒットして続編が作られ、その後は様々な類似作品が生まれています。

ヘビは足が無く体は円筒形で、その表皮も複雑なようでいて規則性があるデザイン。
その動きも演算で再現できるので、CGで作りやすかったようです。

なので巨大ヘビ映画は昔から、作り物ではなくCGが採用されていたと思います。

さぁて、こういう分野だとほら またあの映画会社、アサイラムがパクらないはずがありません。

>本項で紹介するのは、タイトルも聞いてびっくり 『シン・アナコンダ』(2021年)。

なんでも “シン” を付ければいいってもんじゃないでしょう。

これは邦題を付けたヤツが悪いのであって、アサイラムによる原題は『Megaboa』。

Boaという単語は ヘビの1種、ボア属のことだそうです。

で このポスターですが何と、大きく描かれた、機関銃を持った女性なんて出てきません。

これはアサイラム社の “釣り” だと思います。
でも今どき、素人YOUTUBERだって、嘘サムネなんか作りませんよ。

実際は丸腰の大学生たちが 無人島の中で、サバイバルな目に合うという映画です。


さて本作、観てガッカリなのは、登場人物とCGの大蛇との合成のつなぎが素人目にもわかる点。

それが目立つ理由は、登場人物とCGの大蛇が同時に画面に出ることがほとんどないからです。

いつも、どっちかしか映っていない。

つまり、別々に作っていることが、あまりにも露骨に見え見え。

俳優さんたちは頑張って演技しているのですが、例えば登場人物が逃げ惑うシーンは、ドローンを使ったヘビ目線からの、鳥瞰撮影。

俳優が「うわー」とか「あー」ってやっても、当然ヘビなんかいないわけです。

そういう学生が作ったようなチープでプアな映画、これがアサイラムの真骨頂なんですねぇ。

それとCGのヘビですが、シーンによってサイズ(例えば人間と比較した時の胴体の太さや頭の大きさ)がバラバラ。
実にいい加減です。

こんなデカいヘビですが、画像のとおり何カ所か切って、口の内側から上顎を刺したら、死にました~



私はこれからも、こんな映画であっても、果敢に観ていくと思います。
なぜかモンスター・パニック映画好きですから。