浜松人だったら観なきゃダメ。邦画 『きさらぎ駅』 | コワれるまで ALLORA

浜松人だったら観なきゃダメ。邦画 『きさらぎ駅』

サトエリの映画を観ました。
『キューティーハニー』(韓題:큐티(キュティ)허니(ホニ) 2004年)の項以来、久しぶりです。
ホラー映画『きさらぎ駅』(2022年)。

静岡県浜松市の
遠州鉄道という赤い
電車に乗ると、
現実に存在しない
“きさらぎ駅” に
着く。

2004年頃から
そんな都市伝説が
ネット上に
広がり、様々なメディア作品が派生しました。

本作は今更ながらでしょうが、この都市伝説に新たな解釈を加えて、映画化したものです。
なので派生作品としては、後発になります。

出来はどうでも、浜松人は観なければいけません。
浜松市のローカル電鉄「遠州鉄道」が舞台ですから。

映画公開に合わせて、遠鉄はありえへん切符を売ったそうです

ただ地元浜松では、フィルム・コミッションの活躍は報じられなかったです。

どちらかというと「長野県上田市のフィルム・コミッションががんばった」という報道が目立ったようです。

実際に遠鉄が映るのは、映画の冒頭。

サトエリが乗ってますね。
つり革の形は三角です。

その後怪しいトンネル(遠鉄にはトンネルは無い)を抜けると、車両は上田電鉄のものになっちゃうのでした。

立っているのは、フィギュアスケート選手でもある本田望結。
みゆちゃんは本作の中で活躍しますし、重要な役どころでもあります。

この映像はサトエリの眼から観えてる光景で、本作の前半はんぶんはずっとサトエリが観ている光景が続きます。

本人が出てこない、という変わった演出になっています。
ちょっと目が疲れますが、まあこれはこれで雰囲気的にいいでしょう。

とにかく、どうも低予算作品じゃないかと思うのです。
スプラッター映像なんかしょーもないCGですし(アニメよりもヒドい)、登場人物も少ないし、オールロケだし。

じゃあ、つまんないかというと、これが面白い

とにかく映画前半は、サトエリ演じる語り部の葉山先生が大学生堤サン(恒松祐里)のインタビューに応え、7年前にきさらぎ駅に行ってきたサバイバル体験が映像化されます。

後半、たぶん “異世界エレベーター” 現象によりきさらぎ駅の世界にジャンプできると考えた堤サンが、ホントに行っちゃう話になります。

ところがその世界では、葉山先生の話と全く同じシナリオが展開されるのです。
いわばネタバレしている状態。

ホラー映画のはずなのに、サクサク進んでいってしまう堤サンがちょっとコミカル。


本作最後、えっ そうだったのかーっ、というオドロキの結末。

どっかの国の、脚本が破綻したようなホラー映画よりも、ずっと完成度が高いです。

そしてエンドロールを終えた後にもう一回、じんわり怖~いエピソードが残されます。

おおっと、都市伝説をそう料理したのかい・・・

低予算で地味だけどこれは佳作でした。