全18話でもよかった 『1%の奇跡』(全26話)③ | コワれるまで ALLORA

全18話でもよかった 『1%の奇跡』(全26話)③

% 『1%の奇跡』 (原題:1%の( ウィ)何か 2(オットンコッ)003年)。

これは全26話のドラマですが、2003年当時はのんびり制作していたのでしょうか。
すべて未解決のままバッサリ切った 『12年(ニョン)ぶりの(マヌィ)再開 (チェフェ) ~ダルレになったチャングク~ (原題: タルレ ツェン チャン・グク 2014年) と違って、ストーリーの締めをすごくゆっくり撮ってくれました。

ジェイン(カン・ドンウォン) とダヒョン(キム・ジョンファ) の、ケンカやすれ違いが解決して、第17話終了後の予告編で、2人の結納シーンがチラっと観られます。
なので本作はきっと、第18話で終わってもよいドラマなのでしょう。

それじゃあ、後の8話分はどうするの?

なんとそこからは、ダヒョンの義妹ユ・ヒョンジン(ハン・ヘジン) とイ・スヨン(キム・チョン) おばさんの息子ミン・テハ(イ・ビョンウク) との結婚。

ヒョンジンの妹イ・ジェヨン(キム・ジウ) と隣家の弁護士キム・ヒョンジュン(キム・スンミン) のカップリング、そしてダヒョンの兄キム・ソヒョン(キョン・チュン) と苦労娘のカン・ヒジン(キム・ジユ) とのカップリング。

こういうように、登場人物をことごとく くっつけちゃうのでした。

あ、おまけでジェイン室長の部下、チャンス(ヨム・ジェウク) とユギョン(シン・ドンミ) もくっついてしまいました。

なんてのんびり、ていねいな仕事でしょう。

もう17話とか18話からは、登場人物はみんな いい人になっちゃうのでした。

最終話で、ハラボジつまり富豪イ・ギュチョル会長(ピョン・ヒボン) が自分の自叙伝を出版します。
その本の名前が、『1%の( ウィ)何か』。(オットンコッ)

ニュース未来(ミレ)(ウィ )選択』( ソンテク) (2013年)の最終話みたいですね。

その出版記念パーティでの、会長の感動のスピーチで、本作は終わります。

「周囲の人にやさしくしよう」
「困っている人を助けよう」

ジェインと会長との出会いのエピソードを語る会長の話は、ちょっと胸にぐっとくるものがありました。


あぁ、いいドラマでした。



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このドラマはラブコメですから、笑っちゃうシーンがいくつもあります。

そのなかでも最高におかしかったのが第18話。

舞台は10月。
ジェインのホテルがかき入れどきになる頃です。

ダヒョンの(狭い)家での、ジェイン一家とダヒョン一家の顔合わせ。
ジェインに 「早く孫の顔が見たかろう」 と迫られた会長は、「結婚は来年の秋に」 と主張するダヒョンの父母の言葉を無視して、「じゃあ今から結納してしまおう」 と どんどんことを進めます。

「ちょうど今、韓服を持ってきた」
「ケーキ買ってこい」

むちゃくちゃです。
その夜、両家はいずれも怒涛のような結納終了に、「あれは何だったのか」 とあきれ果てます。

翌日、一刻も早く結婚したいジェインは部下たちにホテルの挙式場の空きを探させますが、さすがに冬はいっぱいで、正月過ぎないと空きがない。

そのとき部下が「キャンセルがでましたビックリマーク」と飛び込んできます。
「しかし、日取りにちょっと問題が・・・」

その日の夕方(怒涛の結納の翌日)、ジェインはダヒョンを喫茶店に誘い、彼女に言うのです。

「来週の火曜、空いてるはてなマーク


これは笑わずにはいられませーん ヾ(@°▽°@)ノ



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本作の特異な存在が、幼いころから継父のDVに晒されて心に傷を負い、ダヒョン一家の家にかくまわれて成人したユ・ヒョンジン(ハン・ヘジン)。

たまに実家に帰るとまたひどく殴られる境遇です。

そんなヒョンジンの無残な顔にぐっときたのが、ダヒョンの遺産相続ライバルで従弟のミン・テハ。

もうこの人しか結婚相手はいない、と熱を上げてしまうわけです。




勝手に一般論にしてしまっていいかどうかわかりませんが、韓国の男性は、「これは自分が守ってあげなければいけない」という父性愛が強いのかもしれません。

かの1983年の大韓航空機爆破事件、私はリアルタイムでニュースを見、新聞や雑誌などでその後の報道を見ていましたが、日本人に成りすました犯人のテログループのひとり、キム・ヒョンヒという女性が逮捕されました。
北朝鮮から命じられた工作員でした。

逮捕後テレビカメラに映ったこのテロ犯、罪を悔いていてなんだかすごく気の毒な感じの姿でした。
このとき、同情した韓国の若者から、結婚の申し込みが殺到したそうです。

ま、わたしの記憶でしかありませんけど。


そういう器の大きさみたいなものは、草食系と言われる今の日本の若者にはあんまり感じません。
むしろ 「癒されたい」 とか 「勇ましい女性への憧れ」とか 「崇拝する偶像」 とか、日本の若者の女性観はそんな感じがするんですね。

そういう若者をマーケットにした商業テーマがまさに 「可愛い is justice」。

それがまた世界にウケているんですから、分かんないものですねぇ (;^_^A




ハン・ヘジンが演じたヒョンジンという女性像ですが、ずっとテハを拒絶し続けます。

テハに 「結婚したいのなら、自分の両親を説得して」 というのはいいのですが、その難関をクリアしたら 「次は私の両親」 と言う。

作品は彼女を可憐で健気な感じに描きますが、なんか違う感じはしました。

親の愛を知らずに育ったためか、愛に飢えていて、give を強く欲するけど take の心が未発達。

そんなうがった観方をしてしまいました。



なんにしろ、分かりやすいし、毒がない。

韓流にも、こんな作品があったのですね。

もっと早く観ておいてもよかったな~、と思いました。