衝動
「衝動」と歌詞に出てくる歌が好きだった17歳の頃を思い出した。
私は衝動があふれ出るような人間ではなかったが、だからこその憧れだろう。
17歳の頃といえば、学校の帰りに友だちと古着屋さんへ寄って、色々な服を眺めるのが好きだった。
仕事の休憩中にインスタで見つけた本が気になって、帰りに買いに走った。
10代の私が憧れていた、サブカル感漂う表紙と、文字が少な目の読みやすい本。
いい大人になってしまった私は、古着屋巡りをしていたあの頃の、危うい甘酸っぱさを、まだどこかで探しているのかもしれない。
平穏が1番だと願いながら、触れてはいけないものに触れたい感覚を覚え、そんな自分を時折、怖く感じて、理性でまた現実に引き戻すような。
すっかり大人になってしまった今、やり直しのきかない、もう戻れない、無敵の時代に、想いを馳せてしまう。
衝動的に手に取ったものは、本当に求めているものなのかもしれない。
損得とか、利害とか、何をも考える暇を与えないじゃないか。
彼は、衝動だったかもしれない。
静かで地味なのに、衝動的な何かを感じる人だった。
私の経験したかった色々を、彼はしているので、惹かれるものがあったのかもしれないと、後になって思う。
そんな事、あまり話さない人だが、身体中から滲み出ている、本当におもしろい人だ。
この本を読むと、大切な人の事を想う。
連絡こそ取らないものの、仲のいい友人の事を思い出した。
たまたま、本を買ったその日に連絡がきたからかもしれないが。
久々に彼女に会いたい。
また、昔みたいに服を眺めながら、何気ない話をしたい。
まとまらない話が続いたが、何が言いたいかと言うと、この本は、大切な人に会いたくなる、抱きしめたくなる本だ。
ありきたりな、ただそれだけが、素直な感想。