音楽ストリーミングサービスはビッグテックから複数出ているが、ピュアオーディオへの適合性が二の次になっていることが多い。その穴を埋めるようにオーディオファイル向けの高音質ストリーミングサービスが複数出ているのだが、Qobuzが日本でのサービス開始して少し経ち、60日無料のキャンペーンをやっていたので試してみた。
Qobuzに注目していたのは自分の使っているエソテリックのネットワークオーディオプレーヤー(ソフト部分は実質Luminだが)との連携が十分になされており、料金も月1500円前後と無料期間過ぎて気に入れば続けてもいい範囲の価格設定で、e-onkyoのサービスを引き継いでいるのでそちらで購入履歴を活用できるからというのがある。
実質に利用してみるが、ネットワークプレーヤーで再生するにはesoteric sound streamから再生するのではなく、Qobuz connectを別にダウンロードしてその再生先にネットワークプレーヤーを選択することでストリーミングサービスをオーディオコンポーネントで出力できる。
引用:Qobuzマガジン
他サービスと同時に利用している訳ではないので、今は他のサービスも音源がもっと充実しているのかもしれないが、かつてのmora qualitasやApple musicのクラシックやAmazon Music Unlimitedよりも音源が充実しており、あってしかるべき音源は網羅されている印象がある。案外ハイレゾ音源も多い印象だった。アナログ録音時代のハイレゾ再録音源も多い。e-onkyoのライブラリの多くを継承しているというメリットがあるのだろうか。
Apple musicのAirplayはバックグラウンド再生できないのだが、Qobuzはそんなことはない。ピュアオーディオに組み込むハイレゾストリーミングサービスとして明確な不満点がない程度に小慣れているなという印象を感じた。
そうなると「所有する音源をすべてローカルストレージに収めて、統一された様式のタグ付けで目録のように整頓し、ローカルネットワークを用いてストリーミングの音楽再生をする」という趣味は時代の徒花であったように感じてしまう。
もちろん何度も聴いているお気に入りの音源はローカルでの再生が未だにベストだとは思っている。だが一度再生するかしないか微妙な、ボックスセットに入っていたような音源まですべてローカルストレージに収めて統一された様式のタグ付けを莫大な時間を浪費して行う意味は今では殆どないように感じてしまう。お気に入りの音源だけをローカルストレージに入れているのであればタグ付けがいい加減でもそれほどブラウジングに不便はしない。
充実したライブラリを構築するというのは個人で頑張ったとしても企業のストリーミングライブラリの前にはあまりに無力で、たまにしか聴かないような音源はストリーミングから聴けばいいし、ストリーミングにない音源はリッピングせずともCDプレーヤーで直接聴けばいい。ローカルストレージにリッピングするのはその曲が気に入ってからで問題ない。
音質もストリーミングだから明確に悪いとは正直思わない。むしろCDのリッピングは時折読み込みがうまくいってないケースがある。それにより完全には正常に再生できないファイルがたまにあり、音が飛んで不快な思いをすることもある。お気に入りの音源がそうなっている場合はリッピングし直せばいいのだが、滅多に聴かない音源がリッピング不良を起こしていた場合は、また聴くか微妙なのに音源を取り込み直してタグ付け直すという手間が正直煩わしい。そういう意味でも読み込み不良とは無縁のストリーミングは音質が安定性では有利であるとも言える。
ハイレゾも一部の音源はダウンロード購入して保有しているが、CD相当音質でしか持っていないものが圧倒的に多い。その中の一部はストリーミングサービス上ではハイレゾ音質で提供されている。
正直なところすべての音源をハイレゾで買い直す気はないが、ハイレゾで再生できるならそちらの方が望ましいとは考えているので、そういった観点でもストリーミングに音質的な優位性を見出せるケースがある。
iPodのような利便性をハイファイオーディオコンポーネント上でスムーズに音質劣化なく実現することが一時期はオーディオ再生の理想型だと思っていた。だが上の世代からは面倒すぎる、PCの知識が要求されハードルが高い、高周波ノイズを生みやすい機器との接続のデメリットがあるなどと嫌われてしまった。
そして下の世代からは面倒すぎる、ストリーミングが充実しているのに態々ライブラリを構築する意味がないと思われ理想を違えてしまっている。
ただローカルのストレージで自身の利便性だけを考えて構築したライブラリは構築するまでは非常に手間がかかるが、一度構築してしまえば便利なものではある。まさに自分が作った自分の為の自分のライブラリなのだから。
これからはそういったライブラリを構築する人は急速に減っていくだろうとは思うので、同じような志向の人が増えていくことはないと思われる。元々広がりを欠いていた志向ではあったが、今後はさらにマイナーになっていき絶滅危惧種となっていくのだろうとは思ってしまう。時代の流れである。

