ある小鳥屋さんをのぞいていた時だった。小さなインコが目にとまり指を出すと力なく噛みついてきた。何となく可愛くなってそのインコを飼うことにした。粟粒をよく煮てそれを冷ましてスプーンで口元に運んでやると、がつがつとよく食べた。やがて飛べるようになり餌だよと言ってスプーンを叩くと、ベーと鳴いて飛んできて頭の毛をわしずかみにしてとまるのだった。食べ終わると又ベーと鳴いてどこか高い所にとまった。あまり可愛くもなかったが、憎らしくもなかった。成長してヒマワリの種を食べる頃になるとギャアギャアとけたたましい声で鳴いた。機嫌が悪いと人の指を噛み、嘴の力が強いので血が出たりもした。それでも何となく憎めなくて飼い続けた。ある日帰ってみると隣のケージを嘴で開けてセキセイインコをかみ殺してしまっていた。もう飼うのが嫌になり外に放したが、二三日するとまた戻ってきてしまった。しかたなくまた飼い始めたが、ある冬の日の朝、止まり木から落ちて丸くなっていた。二年目の冬であった。あれから小鳥を飼うのは止めた。