62回 石井菊次郎の武士道と裏切りのアメリカ~石井ランシング協定~ | 日本人のための近現代社会

日本人のための近現代社会

主に日本近現代史を日本人の立場から分かりやすく解説した動画をあげています。日記は投資について書いていきます。

https://www.youtube.com/user/so96079607
http://www.nicovideo.jp/mylist/45694866


にほんブログ村


前回、前々回の動画の中でアメリカ、特にウィルソン大統領の自己中ぶりのひどさが分かっていただけたかと思います。今回はそんなアメリカの横暴から日本の国益を守った石井菊次郎による石井ランシング協定について解説していきます。第一次世界大戦中の出来事なので、時代的には前回動画と前後してしまいますが、当時のアメリカの自己中ぶりを知った上で今回の話をした方が分かりやすいと判断しました。

動画解説

ニコニコ http://www.nicovideo.jp/watch/sm27686479

ようつべ https://www.youtube.com/watch?v=BYLU5TBFBgE



さて、協定の中身に入る前に石井菊次郎の第一次世界大戦においての立ち回りを確認してみましょう。前回も解説しましたが、日英同盟を理由にイギリスは日本に参戦を要請し、それに答える形で日本は英仏側で参戦していたわけです。

しかし、この時代というのは国益にかなわないと判断すれば簡単に裏切るというのが当たり前の世界でした。大東亜戦争後にロシアが不可侵条約を破って北海道に攻め込んできたのはいい例ですね。今の感覚では許せない約束破りであり裏切りですが、当時の世界では当たり前だったわけです。

そんな世界にあって日本の石井菊次郎は英仏に対し「日本は絶対に裏切らない。お前らが勝つまで最後まで付き合ってやるよ」と宣言し、中国からドイツを追い出し、地中海からUボートの脅威を排除し続けました。

英仏にとってはいつ裏切るか分からない連中ばっかりの中に俺たちは絶対に裏切らないよと宣言までしてくれる国があったわけですから、日本の存在がいかに心強かったかは言うまでも無いですよね。こう言う事を開戦当初から石井がやったからこそ日本はパリ講和会議に大国として呼ばれましたし、有色人種で唯一国際連盟の常任理事国にもなれたわけです。

さて、イギリスやフランスからは感謝された日本の行動だったんですけど、1国だけ不信感MAXで見ている国がありました。そう、ウィルソン大統領率いるアメリカです。アメリカは日本の行動を見てどう思ったか。「日本は英仏に恩を売って中国の利権を拡大しアメリカの邪魔をするつもりに違いない」こう思い込んでいたわけです。だから、日本の中国利権拡大を阻止するために協定を結ぶことになります。これが石井ランシング協定です。

内容を簡単に説明すると「アメリカは日本に対し、満州地域の権益を認める。その代わり日本は第一次世界大戦の混乱に乗じて中国侵略をしない。また、中国における貿易などの機会均等を認める。」という約束です。

一番ネックだったアメリカが満州権益を承認してくれたわけですからこの協定は日本にとっては完全勝利とも言える内容でした。前回動画でも解説したように21カ条の要求における日本の目的は満州権益の確保であり、中国侵略ではありません。だからアメリカのこの提案は日本にとっては何のデメリットも無い提案だったわけです。

そしてアメリカはこの協定によって日本が中国で利権拡大することは無いと安心して第一次世界大戦に参戦していくことになります。つまり、日米双方にとってWINーWINの関係だったんです。

ところが、第一次世界大戦が終わるとアメリカはやっぱり満州も欲しいと考えるようになり、石井ランシング協定を破棄しようと努力し始めます。そして後の動画で解説しますが5年後には結局なかったことにされてしまいます


余談ですが、当然パリ講和会議には当然石井菊次郎参加するとみんな思っていました。こんだけの事をやってくれた石井はイギリスやフランスでは超有名人でしたからね。ところが、アメリカ信者だった原敬総理大臣に嫌われてしまった石井はパリ講和会議には連れて行ってもらえなかったんですよ。代わりに「クルーズ満喫してたらパリ講和会議に遅刻しちゃったごめんね」という伝説を残した全くやる気の無い西園寺公望が行っています。その後も石井は原敬によって発言力を失っていきます。日本ではなぜかこうした優秀な人が潰されてしまうんですよ。リーマンショックから世界を救った麻生総理がマスゴミのネガキャンで辞めさせられたのに似ていますね。
次回はロシア革命とシベリア出兵について解説します。チャンネル登録、お気に入り登録をよろしくお願いします。