近所に21時開店のラーメン屋があります。


アヒルと鴨のコインロッカー


アヒルと鴨のコインロッカー

『神様に見られたくない話なんていっぱいあるのねん。いま痔なのねん。』
(松尾スズキのエッセイ風)


伊坂幸太郎原作の映画は、4作目。
今回もすげかった。
以下、あらすじ。

大学進学のため、仙台にのアパートに引越してきた椎名(濱田岳)。
ボブ・ディランの『風に吹かれて』を口ずさみながら引越しの後片付けを
していると、お隣さんの河崎(瑛太)が話しかけてくる。
そして、椎名は、河崎の部屋で隣の隣の部屋に住むブータン人留学生のために
本屋を襲う話を持ちかけられ、なんだかんだで計画は成功。
河崎の車で帰宅の途に着くが・・・。

なんでこんなにも回りくどいかつ、ロケーション等を詳細に説明しているかは
映画のラストにわかります。
全てシーンがドラマに関係しているため、トイレで席を離れる場合は
一時停止してください!

全ての要素を余すとこなく活用する手法は、
伊坂幸太郎の前職がエンジニアだったことが関係していると思う。
(SEとして働く傍ら小説を書き、文学賞に応募していた。)
ドラマとしての作り込みが技術屋らしく、繊細かつ体系的。
SE時代、どのフェーズを担当されていたかは不明だが
登場人物や、物語の要素が関数的に扱われ
それらが独立し、互いに影響しあってドラマが出来上がっていく。
しかも、マルチスレッドのようにドラマが幾重にも重なっていたりするからスゴイ。
技術屋時代も相当なキレ者だったのではないかと勝手に妄想。

物語の底に流れるものは、決して前向きのモノではありません。
日本の文化が抱える問題であったり、命の尊厳に関わる問題であったり
現代社会が抱える問題だったり、『チルドレン』と同様に観る者の観点で
いろんな見方がある作品だと思います。
ボブ・ディランが挿入歌というのもまた意味深。
もー、いろいろな要素が絡んでいるため、本ブログのように二次元かつ
低次元な媒体では説明できません(苦笑)
伊坂幸太郎の作品を観る度に(読むたびに)自分の力不足を痛感します。

気付けば、面白いことひとつも書けてねー(笑)
ネタにする隙がないくらいの作り込みってことで。

生意気に褒め言葉。
【体系的に構築されていくドラマ、その作り込みがステキ】



夜に雨が降ると少し得した気分になる。



では