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減れさないことが一番

【銀行員安きに流れる】

最近は銀行も不景気による貸し渋り、貸しはがしが常態化し、本業ではなかなか利益が出にくくなっています。

規制緩和の恩恵を受けて銀行は金貸しのほかに投資信託等元本割れする商品を扱うことができるようになりました。
割と簡単にそれなりの手数料を稼げるのでこちらにも結構力を入れていました。

私も組織の一員でしたから、当然部下にもそれを指示し、自分でも販売に力を入れ、それなりに実績を残してきました。
しかし裏返せばこれがこのご時世、多くの一般投資家を奈落のそこに陥れている元凶となっているという事実があります。


【運用の妙味?】
うまく運用できている場合は、機関投資家も、一般投資家も、銀行も、運用会社もみんなエビス顔ですが、ひとたび不況に見舞われるとアマアマの右肩上がりの運用予想が根も葉もないデタラメであったことが露呈します。
そして「自己責任」と言う言葉が独り歩きする恐ろしい世界となります。
機関投資家は法人のルールで運用してますので、担当者はそれほどショックはなさそうです。上層部は真っ青です。
ただ、法人はシステマチックに損切りができますから、その商品に関しては損失も限定的です。
一番衝撃を受けているのは個人投資家でしょう。
勧められて買った商品があがった時に解約しようとしたら、「今は解約料がかさみます。」と言われしばらく置いといたら、元本割れし「もう少し待ちましょう」「あなたのためです」みたいな顔で説得されます。
そして元本が減り続けても銀行は手数料を頂戴しつづけ、それをわれわれの給料に充てているのです。
お客さんの財産が目減りしても私たちはそれを削り取りながら生活していたわけです。
「将来、上がるんでしょうね?」と聞いても「それはわかりません」と答え、「過去のデータはこうです。」と教えてくれます。
ざっくり
「とりあえず金を預けてくれ」
「運用がうまくいかなかったらごめんね。でも手数料はもらうよ」
「一緒に運用してくれた仲間にもお金払ってね」
「うまく運用できたらいくらかは還すから」
「損しても解約しないで、手数料だけは頂戴ね」
「あなた本当に神様みたいね」
といったところでしょうか。

【お客様は神様】

運用が極端に低迷、大きく元本割れすると多く説明を求められます。

「今日はいい天気ですね~」 
   まず世間話でテンションを探る

「現状は云々です。」 
  顔色をうかがい、戦略を練る

「でも、持ち直す可能性はあります。」 
  全く根拠のないことを言う

「ちゃんとリスクは説明しましたよね。」  
  銀行側の責任ではないことをちらつかせる

「署名捺印もあります。」 
  自己責任であることを強調する

「今やめたら後悔しますよ」 
不安をあおる

「若い頃もてたでしょう?」
おべんちゃらを言う、これは逆効果になることもある

作り笑いを浮かべながら、お客さんの顔色を見ながら対応します。
解約されたら自分の評価に影響が出ますので、なんとかその場をしのぎ、解約だけは避けようとします。

そこで引き下がってくれるお客さんは「最高」です。

だってそうでしょ?
100年に一度の不況といわれ、多くの経済指標が軒並み悪化し、多くの専門家がこれからが本番だと言っているのに、上がるか下がるかどう転ぶか全く不明の商品をじっと持ち続け、その間手数料名目で元本を削り取られつづけ、銀行に収益を提供し続けてくれるのですから、まるで神様です。
言い方を変えれば「カモ」であり、さらに言えば「○○」ということになります。

確実に言えることは、銀行員はあなたのことを考えてくれているのではなく、自分たちのこと、自分のことしか考えていないということです。

【景気が回復すればいいのか?】

景気が緩やかに回復すればもちろん今よりはいいでしょう。しかしまだまだ底は見えません。これからが本番というのが大方の見方です。
よしんば数年で元本ラインまで回復したとしても、その間手数料は削り取られていますので、結果としてはマイナスです。
今までの損失を補填、さらに利益も出してくれるというのであればいいのですが、しかし、今はそれをのぞむべくもないのです。

また年金保険に関して言えば数年で既定の年金支払いが始まります。
しかし解約は激増、しかるに新規契約は激減、保険ですから死亡時の支払いも経営を直撃します。
追い打ちをかけるように株価の下落低迷、従業員のモチベーションも下がり、消費マインドの落ち込みも激しい。
そもそも新規加入が大幅に減少しているのに、原資もないのにどうやって払っていくのでしょう。
子供が考えてもわかる簡単な構図です。
数年後は、訴訟の嵐でしょう。
保険会社が保険を掛け、さらに再々保険をかける仕組みもあります。
これは、リスクヘッジのためのはずですが、この再保険、再々保険会社がグループ企業であったりします。どこに責任があるのかさっぱりわかりません。
8割に元本が落ち込んだ場合運用を停止する商品もあります。
これはとりもなおさずこのままやってれば損失が拡大することが見込まれる、ということを公言しているのにほかなりません。

景気が回復すればよし、という問題じゃなくて年金保険を扱う会社そのものの存続が今後非常に危ない状態であることを肝に銘じておくべきだと思います。

リーマンブラザースは巨額の損失を抱えてある日突然消滅しました。
安全水域といわれていた会社がどれほど破たんしてきたかこのブログを読んでいる皆さんは充分御承知のことと思います。


【元本保証ってなに?】

仮に元本保証の商品であっても、保証されるのは元本だけです。(当たり前ですが)
なんで数年間かけて元本を保証してもらわなっくてはならないのでしょう。
そんなんだったら、定期預金に預けていたほうがはるかに有利です。
数千円もうかりますから。
いや、定期預金の場合、解約に交通機関とか使って、帰りに喫茶店でもよったら足が出るかもしれません。

【では何がいいのか?】

昔流行った冗談ですが、やはりタンス預金でしょう。。。
もちろん冗談ではありますが、でも笑い飛ばすこともできまないようなきもします。
命の次に大事なお金です。
ここ数年は増やすことはあきらめて、減らさないことに意識を移したほうがいいのではないでしょうか?
バンカーだったころは状況局面でも下落局面でも理屈をつけて、今はその頃の呪縛からは解き放たれていますので、常識を口にすることができます。
所詮元本割れする商品は投機です。上がるも八卦、下がるも八卦、ばくちと一緒です。
そのうち上がるだろうという幻想はすてて、どうしたら減らさずに済むかを考えることが一番です。
親戚に相談されたら、元本割れ商品は今儲かっていても損していてもすぐやめたほうがいい、と助言します。