今回は睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の治療のお話です。

まず最も標準的でエビデンス(医学的根拠)が確実である治療がCPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)です。
CPAPは機械によって気道に圧力をかけることで人工的に気道を開き、その状態を維持することにより気道が閉塞することを防止し、正常な呼吸を促すために用いられる治療法です。

CPAP治療を保険診療で行うためには前回説明させて頂いた、睡眠簡易検査でAHI(1時間あたりの無呼吸の回数)で40回を超えるか、精密検査でAHI20回を超える必要がありますが、最も確実で安定した治療効果が得られる治療です。(治療を要する無呼吸の合併が前提になりますが)いびきでお悩みの方も、通常はCPAPを使用することで改善することが可能です。というのもいびきは無呼吸の手前の現象と言ってよいため、CPAPにより無呼吸を解消する過程で、いびきも同時に解消されるためです。

またCPAP治療を開始し、無呼吸が改善すると睡眠の質の改善によって寝起きが良くなるだけでなく、高血圧や夜間頻尿が改善したり、血糖値のコントロールがよくなる場合もあります(これらにはいずれも医学的根拠があります)。さらにいびきの解消により、ご家族にもプラスの影響を与えることもあります。

たしかにCPAP治療は開始すると基本的にはそのまま継続になるものであるため(定期的な通院が必要であることと、3割負担の場合には月額4500程度が自己負担としてかかります)、なかには躊躇される方もいらっしゃいますが、一度CPAP治療を経験すると(良い意味で)その受け止め方が変わる方も少なくありません。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)|品川区新馬場|「みやざきRCクリニック」 (kita-shinagawa.clinic)