12月のある日、我が家に1通の国際郵便が届いた。外国
からの便りなど全く心当たりがないので娘に聞くと、これは
アメリカのボストンに留学していた時のクラスメイトからのも
のだとわかった。
娘も数年振りで懐かしかったのか、インターネットのメール
でやりとりをしていた。
そのうち逢って見たくなったようで、「ちょうど一週間ほどの
休暇がとれたので一緒に行かない・・・?」と声をかけてきた
。スポンサーとしての誘いであることはわかっていたが、私も
妻も台湾は初めてなので便乗することにした。
食の国「台湾」
●中正国際空港
<台北>
★夜市
台湾旅行の第一歩は「夜市」であった。出発前、娘は「
夜市には是非行ってみたい…」と言っていたが、夜市は
日本でいう特別な日に開く縁日とか夜店くらいのものと、
たかをくくっていた。
しかし、私の夜市のイメージはまったくはずれてしまった。
夜市は毎日夕方の7時頃から12時頃まで開かれていて
台湾人の生活の一部になっていて、台湾の素顔を見てい
るようであった。
台北には3日間しか滞在できなかったが、夜市の魅力に
どっぷり取りつかれ、お土産も食事も全てここで済まして
しまった。それにしても台湾人の食に対する貪欲さには
驚かされてしまった。
台北には各地に夜市はあるが、その中でも観光客が気
軽に行ける次の4つの夜市を廻った。
①曉河街観光夜市 ②士林夜市 ③華西街観光夜市
④通化街夜市
▲▼夜市点描
▲▼夜市点描
★故宮博物院
世界の4大とも5大とも言える博物館の一つ。
今からおよそ3000年前の「商」(しょう)の時代からの歴代
の皇帝が集めたコレクション70万点が展示されている。
▲博物院前景
▲展示品
文化財を全部見終えるには「8年」かかる・・・
ここ故宮博物院には70万点の文化財が収蔵されており、
その内6000点が8ケ月毎に入れ替えされている。
このため全ての文化財を見終えるには、8年かかる計算
になる。
▲▼展示品
▲展示品
▲博物院全景
<なぜ、故宮が台湾に・・・?>
故宮とは旧宮殿のことで、北京の紫禁城のことである。
中国最後の王朝「清」(しん)が倒れた時、膨大な文化財
は中華民国が引き継いだ。
しかし日本の中国侵略でこうした財宝や文化財が、破壊
されたり散逸されたりするのを恐れた中華民国は一時
南京に移した。
その後日本の敗戦で、一旦は元に戻したが内戦が始ま
り再び散逸の危機に瀕した。
そこで正統を名乗る国民党が台湾に運び保管した。
★龍山寺
台北最古の寺。
本殿には本尊の観音菩薩をはじめ八百万の神が祀られ
ていることから霊験あらたかの寺として知られている。
★二二八記念館
二二八事件の資料や時代背景が一目でわかる記念館。
<二二八事件とは・・・?>
1947年2月27日の夜、ヤミタバコを売っていた一人の
女性が摘発隊に袋叩きにあった。
これに抗議するために集まった台湾人に、本土中国の摘
発隊が発砲して一人が死亡した。
翌日28日、デモ隊は行政長官邸に向かうが、機関銃の
一斉射撃を受け多くの死傷者を出してしまうという事件が
起きた。
この事件の2年前、日本の敗戦で台湾は中国に返還され
、中国本土人と台湾人は融和の兆しが見えてきていたが、
この事件で情勢は一転して台湾人の自立心を駆り立てて
しまった。
▲記念館入口
▲▼二二八事件を記念
して造られた和平公園
★台湾省立博物館
台湾最古の博物館。
ルネッサンス風の美しい建物で、「中の展示品より価値が
高いのでは・・・」と皮肉る人もいる。二二八公園内。
★総統府
赤レンガに白い縁取りが美しい建物で、行政府と軍の
司令部が入っている。もともとこの建物は、日本が台
湾を統治していた時代に総督府として使っていた歴史
がある。
★台北車站
日本では鉄道は、車の発展に押され下降気味だが、ここ
台湾ではまだまだ主流である。
車站(しゃたん)とは、火車(鉄道)の駅(站)のこと。因みに
バスは汽車という。
▲台北車站を背に
★新光摩天展望台
台北車站の前にある244mのビルで、その46階が展望
台で360度の展望が楽しめる。
▲展望台から見た夜の台北
★中彰文化村
台湾の大手映画会社が経営する撮影所兼テーマパーク
★孔子廟
どこの町へ行っても孔子を祀った廟がある。何の縁も
所縁もないのになぜだろう、と不思議だった。
これはちょうど日本でいう「天神様」のようなもので、各地
に祀られているとのこと。
★行天宮
中国の古典「三国志」の主人公の一人「関羽」を祀る
神社。関羽は武将としてよく知られているが、ソロバン
の発明者でもあるんですヨ・・・、知っていましたか?
★保安宮
医学の神様と言われる保安大帝を祀ることからこの名が
ある。この日も、病気平癒や無病息災を願う信者でいっぱ
いだった。
★革命忠烈祀
革命や抗日戦争で亡くなった人たちを祀る廟。日本の
靖国神社というところか・・・
★中正記念堂
台湾建国の父と言われる蒋介石の偉業を讃えるために
建てられた記念堂
蒋介石(1887~1975)
中国の軍人・政治家で孫文の後継者
孫文の死後、中国の指導者として中国国民党を率い中華
民国をリードした。
中国で官軍学校を卒業後、日本の陸軍士官学校に留学し
見分を広める。
1928年、南京国民政府の成立後、孫文に代わって政治
と軍事の大権を握ったが、反共・日本への不抵抗策が裏
目に出て、国民からの反発が強まってしまう。
こうした中で野党であった共産党が勢力を急速に伸ばした
ため反日抗争へと政策を変更せざるを得なくなった。
しかし日本の敗戦後国民政府はアメリカの支援を受け再
び反共政策をとるが、中華人民共和国(今の中国)の成立
によって、中華民国は総反撃を受けて、台湾に逃れざるを
得なかった。
★国家戯劇庁(国立劇場)
★国家音楽庁(国立音楽堂)
台湾の旅まだまだ続きます。
引き続き(その2)を観てください。