鳥が枝を咥えて空を飛んでいます

高い高い杉のてっぺんに

巣があります

雀のひなが

一人立ちしようと

植え込みの小枝に掴まっています

親鳥が見守り、

わたしの目にもわかるくらい

子供は不安で

親鳥のほうばかり見ていました。

その子供の口に

親は餌を移し入れました。

「わたしは、なかなかよくならないの。言ってしまったりしたら、先生が嫌がるような気がして言えないの。」

「うちで座っているところから外が見えるのね。散歩する人、走る人、犬の散歩したり、自転車に乗る人、いろんな人がほんとに通るの。するとさ、いいな、と思ってしまうのよね。」

「わたしはいままで、自分に無頓着だったのがいけなかった。もっと、できることを一生懸命していたら良かった、って思うのよ。」

「うちではね、話す機会もないの。夫はあんな人だから、わたしが口を開けて寝ているとね、こうやってくちをつまむから。わたしが、ふが、ってなるの。それを笑うくらい。」

「犬もね、具合があまりよくないの。あ、でも今はちょっと元気なんだけどね。」

どんな時も

どんな時も

元にはもどれないんだけど

これからできること。

また、一緒に話をしよう

「あなたはいいな。これからいくらでも、健康でいられるよ、」

うまく言えないけど、

体のことはわからないけど、

これからも一緒に話をしたい

楽しみにしているから

「そうだよね、良くなるよね、そう思って頑張らないとね。また話をしようね。」　

どんな時も

どんな時も

たとえ空が曇り空で

雨を呼ぶ曇だったとしても

鳥は枝を咥え、大きな空を飛ぶ

晴れの空ばかりじゃない

巣に雨が降る日だってあるだろう

カラスだって狙うかもしれない

修繕しながら

安全な場所を探しながら

みんな

ひたすら使命を尽くす

なんにも

うまく言葉にできなかった

また一緒に、話をしよう。

また一緒に。