青い手の少女
青い手をした女の子が
おりました。
女の子は生まれつき
青い手でしたが、水に入ると
肌色に変わりました。それで
毎日海に潜っていました。
女の子は海からあがると
いつも手袋をはめていたので、
みんな不思議に思っていました。
ある夏の終わりに
事件は起こりました。
仲良しのお友達にべっぴんの湯に行こうと誘われたのです。
女の子は、温泉ならすぐに手を濡らせば青い手の事は知られずに済むと思いました。
温泉の脱衣場でいつまでもグズグズ手袋を外さない女の子をみてお友達は、早く手袋脱いで行こうと誘いました。「先に行っててね、」と女の子は笑顔で言ったので、お友達はしぶしぶ先に行きました。それから女の子は急いで、手袋を外すと、洗面所で手を濡らして肌色になった手をみて安心してお友達のところへ行きました。
ところが、温泉に先に行っていたはずのお友達は、女の子の様子がおかしいので、物陰からそっとみていたのです。手袋を外した女の子の手は、見違えたかと思われるほど青いのでした。
女の子のお友達は、素知らぬふりで待っていました。そして、女の子がやって来ると、「大丈夫、誰にも言わないからね」と話しました。女の子は見られていたことを知り、ひどく悲しくなりましたが、周りに人もいたので、泣きたい気持ちを我慢しました。
お友達は話しました。
「不思議な手だね。ステキだね。何かの力があるかもしれないよ」
女の子はそんな風に思った事はなかったので、驚きました。
その時、よちよち歩きの赤ちゃんが滑って温泉に落ちました。お母さんは慌てて抱き上げましたが、鼻からお湯を飲んだ赤ちゃんは溺れて気を失い、ぐったり息がありません。泣き叫ぶお母さんをみて、思わず女の子はお母さんに駆け寄り赤ちゃんを抱き上げました。するとどうでしょう。赤ちゃんはお湯をたくさん吐いて、息を吹き返して泣き始めました。女の子は嬉しくなって泣きじゃくりました。その様子を見ていたお友達もただ驚き喜びました。
赤ちゃんのお母さんは女の子の青みを帯びた両手を握りしめて何度もお礼を言いました。
温泉から上がって帰り道、女の子とお友達は両手を広げて、太陽にかざしました。もう手袋はしておりません。光があたると、女の子の青い手は、明るく輝いてみるみる肌色に変わりました。
べっぴんの湯の奇跡だったのでしょうか…。
読んでくださり感謝します。
ありがとうございました❤️
















