2023・3・18>ウクライナ正教会(キリスト教) | 北の山・じろう「時事日記と株式日記」

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そもそもの始まりは、キリスト教が西ローマ帝国と東ローマ帝国で別れました。その後、同じキリスト教でありながら違う道を歩みます。
西ローマ帝国の方が、現在のローマン・カソリックです。
今、キリスト教と言うとこのイメージを持つ人が多いと思います。

一方で東ローマ帝国の方のキリスト教は、キリスト教と言う呼称を使わず、「正教会」と言う呼称を使います。

だから、カトリック系キリスト教と(東方キリスト教)正教会にそれほど、教義や信仰に大きな違いは、ありません。

しかし、組織の在り方が大きく違います。
カトリックの方は、ピラミッド型の組織構造です。
これは、誰が見ても分かります。

一方、正教会の方は歴史的に権威のあるとされる大きな正教会の連合体です。その大きな組織の下に中ぐらいの組織があり更にその下にその地方地方の正教会があります。
全部、呼称が正教会なので知らない人は、首をひねることになります。

ウクライナ正教会の説明
在ウクライナ日本大使館
https://www.ua.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_001227.html

大体、大雑把に正しく説明しています。
歴史的な経緯は省略しそれ以前は、ウクライナ正教会は、ロシア正教会の傘下の組織でした。大きな正教会としては認められていませんでした。

しかし、その後平成30年にコンスタンティノープル正教会総主教が、ウクライナ正教会を独立した組織として認めました。つまり、これをもってウクライナ正教会は、大きな組織のメンバーとして認められました。
その大きな意味は、ウクライナ正教会の中の事柄はウクライナ正教会内の合意によって形成することが出来ると言うことです。

この時点で、ロシア正教会とウクライナ正教会は同等の立場になりました。

それ以後は、ウクライナには
ウクライナ正教会系の正教会
ロシア正教会系の正教会
どちらにも属さない独立系の正教会
が、存続することになりました。
簡単に言うと、大組織のロシア正教会からコンスタンティノープル正教会に所属を変えたということです。その代わり、ウクライナ正教会は独立した地位を得ました。

翌年、正式に独立したウクライナ正教会が発足します。

ウクライナ正教会が独立、「長い道のりの第一歩」と専門家
2019年1月6日 12:56 発信地:イスタンブール/トルコ [ トルコ 中東・北アフリカ ウクライナ ロシア ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3205190

これには、ウクライナの独立やロシアのクリミア侵略やドンバス地方への軍事介入などが大きく影響しています。

ロシア正教会の総教主は、ロシアの独裁者に宗教的な権威を与え、様々なロシアの侵略行為の正当化に寄与して行きました。宗教の権威としてあるまじき行為です。そのためウクライナ正教会は、ロシア正教会からの分離と独立を図ったという経緯があります。それを宗教的権威の面から認めたのが、コンスタンティノープル正教会総主教です。

このような事情が分からないと以下の記事の内容を理解できないと思います。

ウクライナ正教会が旧モスクワ系聖堂でミサ 宗教の「脱露」象徴
2023/1/8 09:48
https://www.sankei.com/article/20230108-FRKVW7MDABJP3DEMGCHXIDZXMI/

ウクライナ政府、ロシア系正教会に立ち退き要請
2023年3月17日 16:09 発信地:キーウ/ウクライナ [ ウクライナ ロシア ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3455876?cx_part=top_category&cx_position=5

ローマ教皇、宗教の政治利用に警鐘 ロシア正教会批判か
2022年9月15日 13:55 発信地:ヌルスルタン/カザフスタン [ カザフスタン ウクライナ ロシア ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3423990?pid=24877628

ロシアのウクライナ侵略戦争を肯定し精神面からそれを支えるのが、現在のロシア正教の総教主です。
だから、簡単に言うとウクライナ国内におけるロシア系正教会は、ほぼ敵と同じなのです。ウクライナから出ていけ!と言うことでしょうね。
ロシアの正教会が、ロシアのウクライナ侵略を全面的に支援している以上、ロシア正教会傘下の正教会が、ウクライナ国内での存在を許されるはずは、ないでしょう。

ロシアがロシア正教を戦争遂行の道具とし、ロシア正教会が、それに全面的に協力している以上、ロシア正教会はロシア国内でのみ通用する土着の宗教と同じです。宗教としての普遍性を失ったということです。

それを理解すると、ウクライナ正教会が独立し、ロシア系正教会がウクライナ国内で迫害ともいえる扱いをされる理由が分かると思います。敵国ロシアの内通者と同じなのです。あるいは、スパイとも言えます。

ロシア国内では、最大限侵略戦争に協力し・
ウクライナ国内では、単なる宗教です。と言う立場の使い分けは許されないと言うことです。侵略者の手先とみなされて、当然でしょう。

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/