秋の光は時間とともにその彩りを変える。すっきりとした朝の光、昼は穏やかに、夕方は情熱的な赤に。まるでカメラの被写体の魅力を光をあてて存分に引き出す職人のようにこの世界をキラキラと輝かせてくれる。
カメラが、そして光がいつも私が気にも留めないようなところへ連れていってくれる。なんだか不思議な景色に出会うことが多いのが秋の季節だ。自分自身の直感に従って気になったところは写真におさめてみることにしている。
いまの季節は、紅葉の季節とあって特に木々や草木の色の変化が激しく、一日ごとに、そして一日の中でも天気によっても違って見えることが多々ある。同じ花の種類でも、咲いているまわりの環境によっても随分と印象が違ってくるから不思議だ。
秋になって何度も秋桜の花の写真を撮ってきたが、平井大橋の袂にある秋桜畑に行くと飽きもせず写真を撮りたくなってします。いつ見ても少しずつ花の印象が変わっていて、たくさん咲いている花は、一見すると同じような形、色なのだが、少しずつ皆個性がある。
秋に限らず一日のうちで一番大好きな光は夕暮れ時の光。この場所には、まるで団扇のように整った形をしているケヤキが1本だけあって、秋桜畑も見守るように何気なく立っているその佇まいがなんとも素敵なのです。ケヤキの近くに歩み寄って見上げてみると、枝葉がバランスよく空に向かって伸びている様がまたいい。いままで木の種類など気にも留めたことがなかったが、”ケヤキ”と知ってからはケヤキという木がとても好きな自分を発見した。
河川敷の芝生に腰を下ろして缶コーヒーを飲みながら、夕焼けに染まるケヤキの木を眺める時間は私にとって、とても豊かな時間だ。