前回はボカロの黎明期~全盛期について記してきた。今回はボカロ文化衰退の2013年後半以降について記していく。
1、衰退期(主に2014~2016)
正直、衰退期と再生期の境目がよく分からないが、この時代に活動したボカロpは現在ヨルシカのコンポーザーであるn-buna、orangestarである。正確にはこの2人がヒットした時代は違うなどの意見があるが、投稿時期や活動時期が似ている(2015年に主に活躍した点)ので、ここではまとめて定義する。
n-bunaは活動開始年がorangestarより早いが、2014年2月に「ウミユリ海底譚」、2015年5月に「メリュー」を発表し、これらをはじめとする曲がヒット曲である。
orangestarは2014年8月に「アスノヨゾラ哨戒班」を発表し、自身最大のヒット曲となった。orangestarは夏をテーマにした楽曲が多く、単調な曲調(同一進行のコードが多い)が特徴である。アスノヨゾラ哨戒班も電子音が無機質に進む楽曲である。「アスノヨゾラ哨戒班」は公開から1年後にはバンド版の「キミノヨゾラ哨戒班」をリリース。2017年にはAftergrowによってカバーまでされている。n-buna、orangestar両者ともにヒットしたのが2015年でありボカロ衰退期を支えた。
この時代はHoneyWorksとしてのボカロ活動よりもボーカルを招いてCHiCO with HoneyWorksとしての活動の方が勢いのあった時期でもある。
2、再生期(主に2016~2018)
↑ゴーストルールとヒバナは曲の系統が似ていると思う。
この時期は、DECO*27は2016年に「ゴーストルール」、翌年に「ヒバナ」をリリース。DECOはこの時期も一貫してMVに静止画だが初音ミクを登場させている。
また、ナユタン星人という単色背景にオリジナルキャラクター(宇宙人)を動かすMVが特徴のボカロpが登場し、「エイリアンエイリアン」、Eveに書き下ろした楽曲「惑星ループ」、「太陽系デスコ」、「彗星ハネムーン」などがヒットする。
2016年後半にはバルーンが登場し「シャルル」という恐らく「千本桜」に次ぐボカロで有名な楽曲を発表した。この時期からv-flowerを使った楽曲が登場する。また、シャルルのMVはイラストはこれまでの流れ(人物や建物などの背景が描かれている点)を辿っているが、決定的に違うのは、文字MVという点であり、背景よりも文字の方が動くMVとなっている。これが、現在主流になりつつある文字MVの原点と言えるだろう。
2017年にはハチがマジカルミライテーマ曲として「砂の惑星」を発表し、4年ぶりにkemuが復活し、「拝啓ドッペルゲンガー」を発表した。
3、第二革命期(主に2018~2019)
この時代の最大の特徴はTikTokである。TikTokは2018年中盤~後半に普及した。
ロキは、MV自体は、前年の流れを辿っている。
中でも、2018年に発表された「ロキ」や「ベノム」はTikTokで使われ、更に人気に拍車がかかった。
「べノム」を発表した、かいりきベアは現代主流になりつつある1枚絵の文字MV(単色背景と人物、文字だけのMV)を早い段階(2016年辺り)から採用している。
この時期にヒットした曲は、Gigaの「劣等上等」、DECO*27「乙女解剖」などが挙げられ、DECOは「乙女解剖」をリリースした。「乙女解剖」はこれまでの作品とは異なる曲調で再ブレイクし、この転換が後の「ヴァンパイア」のヒットに繋がると思われる。
4、第二全盛期(主に2020~現在)
この時代の特徴は、第二革命期の特徴とほぼ一致している。第二革命期との違いはボカロとJ-POPが融合したこととボカロヒット曲のMVの殆どが「ベノム」のような1枚絵の文字MVであることである。
2020年
J-POPでは「春を告げる」、「夜に駆ける」(発表は2019年11月)、「うっせえわ」などのボカロ調の曲(アニメーションMV)がヒット曲となった。これらはボカロpが作曲しており、(くじら、Ayase、syudou)ボカロverが存在するものまである。このことがボカロ文化とJ-POPが融合したという何よりの証拠だと思う。
ボカロ単体をみてもchinozoの「グッパイ宣言」がTikTokを通じてバズり、youtubeにて1億回以上の再生数を叩き出している。下半期にはkanariaが台頭し、自身2作目の「KING」のカバー(主にめいちゃん)がTikTokで使われヒットした。他にも柊キライなどのボカロpが台頭した。
また、この年からプロジェクトセカイ feat.初音ミクというゲームがセガからリリースされており、ボカロブームを加速させたと考えられる。
2021年
前年の流れを辿っており、J-POPではYOASOBI「怪物」など多数のヒット曲を出し、ヨルシカ「春泥棒」、Ado「踊」、「阿修羅ちゃん」などが勢いを見せた。
ボカロ単体では、昔からいるボカロpが活躍し、DECO*27が「ヴァンパイア」、ピノキオピー「神っぽいな」がヒット。「神っぽいな」はMVこそ最近の流れを辿っているが、歌詞は真逆で流行の移り変わりが早く薄っぺらい現代を皮肉っているものである。
DECO*27は「ヴァンパイア」以降曲調やMVを統一し、「シンデレラ」、「アニマル」、「サラマンダー」はこの流れを辿っている。
新世代のボカロpも多数台頭してきており、ツミキ「フォニイ」、香椎モイミ「キャットラビング」、柊マグネタイト「マーシャル・マキシマイザー」、才歌「ちょっとあざとい」などの楽曲を発表し活躍を見せた。これらの楽曲に見られるのは可不を使用している点である。
2022年
J-POPでは、Adoの勢いは衰えることもなく、ONEPIECE film REDによって「新時代」をはじめとする曲がヒットを見せた。
ボカロ単体を見ても、かいりきベアがプロセカに書き下ろした楽曲「バグ」がヒットし、kanariaは「KING」の後継曲となる「QUEEN」をリリースした。
今後も目が離せない。





























