まず、無量義経は法華経の開経だ。
四十二年間いろいろと教えを説いてきたが、真実を説いていない。方便だった。今から真実を説く、とある。
法華経序品第一には「無量義(無量義経といえる)について説いた後、無量義処三昧に入る」とあり、無量義経に続いて法華経を説いたことがわかる。
質問者は「四十余年」だと年数が合わないとする。
つまり、35歳成道だから77歳から法華経を8年間説くと80歳涅槃にならないとする。
80歳涅槃はほぼ定説らしい。(経典によりばらつきはある)
35歳成道は南方系に伝わるようだ。30歳成道は北方系に伝わるようだ。(諸説ある)
仏教学者いわく「35の方が多いから35にしておこう」ぐらいのノリである。
日蓮大聖人は「大智度論によると19出家、30歳成道」とされている。
わたしが見る大智度論には30歳成道は見当たらない。大聖人が読まれた版にはあったのだろう。当時は多分常識の範疇だったと想像される。現代の版に19歳出家はあったように思うが、確認中だ。50年の説法はあったように思うが、これも確認中だ。ただ50年の説法は、いろいろな仏典にあるようだ。80歳涅槃はほぼ共通している。80歳涅槃と50年の説法から逆算すれば30歳成道となる。
成道以前に6年苦行もほぼ定説らしい。
法華経には「我先に道場菩提樹下に端坐すること六年にして、阿耨多羅三貎三菩提を成ずることを得たり」とある。これを苦行時代とし、勉学時代を6年とすると19歳出家となる。
19歳出家、30歳成道、72歳法華経を説い始め、80歳涅槃に何の矛盾はない。
わたしは、釈尊の経歴を経典化した時、矛盾を感じて変えたり、記憶違いから種々の経歴ができたと考える。年代に大きくこだわる必要ない。
教えの内容に矛盾があるかどうかを検討すべきだ。これについては後日アップする予定だ。