日達上人に対する脅迫状
男子精鋭二千人の憤りは抑えがたく、仏法守護の刀杖を帯びるに至りました。もし、妙信講一死を賭して立つの時、流血の惨を見ること必至であります。
昭和四十七年六月三十日
創価学会襲撃事件(読売新聞 昭和49年10月5日付)
創価学会本部で乱闘騒ぎ 教義めぐり対立
妙信講の七十人が乱入・十二人逮捕
日蓮正宗の教義をめぐって、さる八月に宗門から解散を命じられた同宗の講中の一つ「妙信講」信徒が、四日夕、創価学会本部に乱入、これを防ごうとした学会側ともみ合い、十二人が逮捕された。創価学会本部が、このような『襲撃』を受けたのは初めて、と東京・四谷署ではいっている。
同日午後六時ごろ、東京都新宿区信濃町三二、創価学会本部(池田大作会長)に、妙信講(妙信講・板橋区常盤台一の十六の六、浅井甚兵衛講頭)の青年部員約七十人が、宣伝カーを先頭に「幹部に講義に来た」と押しかけた。学会側は正門の鉄の扉を閉ざし、「責任者は帰ったので会えない」と答え、押し問答。
同三十五分ごろ「実力で会うぞ」と叫んで、約十五人が高さ二メートルの鉄とびらを乗り超え構内に乱入、さらに宣伝カーを扉にぶつけてカギを壊し、七十人全員がなだれ込んだ。 本部内に居合わせた学会員約五十人が消化器などを使って「応戦」したが、待機していた四谷署員、機動隊員約百人が出動、乱入した全員を建造物侵入などの疑いで同署に連行、このうち十二人を暴力行為、建造物侵入の現行犯で逮捕した。
この騒ぎで乱入した一人が軽いけがをしたほか、構内の掲示板のガラス一枚が破られた。
同署の調べによると逮捕されたのは豊島区長崎二の一九の六、同講青年部長村岡長治(三四)ら。
日蓮正宗には多くの信徒集団があるが、その中で創価学会が公称七百六十二万世帯と同宗信徒の九十九、九%以上を占めている。ところが、教義をめぐって信徒集団のなかに意見の相違が出て、総本山の大石寺(静岡県)宗務院は布教が全国あまねく広がったあと「国教」にするという「国立戒壇」論を、教義に反するとして否定していたのに対して、「妙信講」派は「国立戒壇」論に固執していた。
このため、宗門側がさる八月、妙信講に教義を踏みにじる信徒集団として解散を命令、だが、同講の信徒達は、宗門の背後には創価学会が働いているとして、街頭などでビラまきなどをしていた。 「妙信講」は、都内を中心に全国に一万二千世帯、約三万六千人の信者がいるといわれる。昭和十五年に設立された日蓮正宗の講(信徒集団)の一つ。
創価学会が声明
創価学会本部は四日の乱入事件で同日夜「元妙信講は国立戒壇を主張する狂信的過激派で、同信の徒を中傷するなど秩序と統制を乱す行為のため八月十二日宗門より解散処分となった。教義上の問題は宗門と話し合うべきであり、信徒なら宗義に従うべきなのに、このような暴挙は信仰人にあるまじき行為である」と声明した。