ジャンヌ②
とにかくスピーディーに、雑に、個を優先せず押し付けた。
ステージングとはとても言い難い程の作業に、付き合わせた。
若い出演者は付き合ってくれた。
配役の意味、役という言葉の意味を考えた。
上手い下手、向き不向き、より、柔軟性と狂気を求めている配役という作業。
僕の興味は、「このジャンヌを誰が射止めるか」よりも、「彼女がどのジャンヌを演じるのか?」にしかないことに気付く。
ジャンヌ①
稽古が始まった。
若い。青い。生命力高め。な人々が集まってくれた。
19才の女性が一国を勝利に引き寄せた伝説
彼女の587年回目の命日に幕を開ける。
自覚も責任も学問も、
薄っぺらな自分には余りにも荷が重すぎる。
だが、文字通り役者は揃った。
作るというより、やる。
考えるというより、感じて
喋るより、話そうと決めた。
産まれてこのかた31年間、争いという事柄から目を背け続けてきたから、
小細工なしで、正面から捉えるよ、愛する国のため相手を殺す情感を。
父さん母さん、悪いね。
数年後振り返ったときに、こっぱずかしいと思える3ヶ月間になる。