先週木曜日(7月10日)から北日本新聞(富山県)の文化面で連載を始めた
このブログで使っている筆名と違って、本名での執筆である
題して「越中エル・ドラド ふるさとの歴史秘話」
毎週木曜日に掲載となる
 
研究者は知っているだろうが、一般の人は知らない
そんな富山の「驚くような面白い話だけ」をピックアップした
初回は、江戸時代初期にあった越中のゴールドラッシュ
なにしろ、当時は佐渡金山より産出量が多かった
 
もちろん、佐渡は鉱脈が太いから、平成元年まで掘っていた
それに対して、富山の金山はすぐに掘りつくしてしまったから、地元でもほとんど知られていない
 
採れた膨大な金はすべて加賀藩の懐に入っていったのであり、その内実は極秘にされていた
そんな歴史があったことを知ってほしいと考えた
 
北陸新幹線が来年春に開業するため、県内各自治体が地元の売り込みに懸命だ
それは結構だが、どうも表面的なものが多い
もっと重厚な、人が驚くような物語がたくさんあるのに―という思いがあった
 
人々が観光に訪れる要素の一つは、物語性、いわばドラマがあるかどうかと言われる
富山で言えば、立山は一番の観光資源だが、山岳信仰などたくさんのドラマを持っている
ひきつけられるのは、単なる雄大な景色だけではないのだ
 
さて、本日の2回目は「富山湾岸はターミネーター」である
明治22年に富山を訪れたパーシバル・ローウエルというアメリカ人が表現した
後に、火星に生物がいるかの大論争の中心人物となり、「海王星の外側に惑星があるはずだ」と予言した人である
 
ターミネーターとは、シュワルツェネッガー主演のSF映画の場合、おそらく「終焉」という意味だろう
 
これに対して、今回の意味は明暗境界線を指す
富山湾の海岸線を三日月にたとえて、「来る時はターミネーター(月の欠け際)を通ったが、帰りは、月面上(内陸部)を通った」と言う意味である
 
内容は面白いと思うのだが、実は大変なミスをしてしまった
 
ローウエルが富山に来て最初に泊った場所を「泊(朝日町)」と書いた
5―6年前のメモに基づいての記述だった
しかし、読者から「三日市(黒部市)の間違いではないのか」と、新聞社に電話があった
 
そこで初めて、元史料を見た
ご指摘のとおりだった
恥ずかしい限りであるし、深く反省している
 
次回24日の連載末尾に、訂正が載る
久しぶりに、現役時代のように厳しい世界であることを思い出した
いつも、よく言ったものだ
「白いものに黒いものを書いている(紙に印刷のこと)。取り返しはつかない」