この土日、車で富山から仙台へ行ってきた
大学の新学年が始まる娘を送っていったのだ
震災によって、ほぼ1カ月遅れの5月9日から授業開始という
こちらは、アパートの部屋が壊れていないか状態が見たくて、一緒に行った
滑川の自宅から仙台のアパートまで、ちょうど500キロ
車で行ったのは、高速道路が休日千円だからだ
通常料金なら、ほぼ1万円である
北陸自動車道をひた走り、225キロほどで新潟から磐越自動車道に入る
ところどころ片側1車線の高速だ
いつもよく立ち寄る福島県の「磐梯山サービスエリア」に入って昼食
そのあと、土産物屋をうろついたら、例の「べこの乳」がある
放射能の風評被害に遭っているのをニュースで見た
こちらは神経質ではないので、早速コーヒー牛乳を買って飲んだ
何かの貢献がしたいと思ったのは確かだし、そうした風評に反発したというのもある
300ccで170円と、ほかのよりは高い
だが、甘くないのにうまい
濃いし、コクがある
ちなみに牛乳は160円だった
郡山ジャンクションから東北自動車道に入る
すぐに、「段差注意」の標識が増えた
修繕はしてあるが、ところどころ盛り上がっており、車がジャンプする感じになる
まさに、地震で巨大な力が掛かり、地面が盛り上がったのだ
しかし、仙台宮城インターで下りて市内に入ると、被害の程はよくわからない
わずかに、屋根を部分的にブルーシートで覆って、砂袋のような重石をしてある家がちらほらあるだけだ
夜も、震度2があっただけだった
翌日、鹽竈神社(塩釜神社)へ向かった
なぜ、ここなのか-と言えば、みちのくの一宮・奥州鎮護の神社なのである
4回目のお参りだが、これまでは静かな雰囲気だった
だが、今回は多くの参拝客がいる
桜は満開
それも紅白の枝垂れ桜が何本もあり、すごく華やかだ
ちょうど、「花まつり」というイベントだった
1トンもある大きな神輿を、白装束の16人の氏子かついで練り歩く
勢い余って、観客のところにも、神輿が突撃するしぐさをする
「荒れ神輿」といって、「神意のままに動きまわる」そうだ
そんな光景が、桜の木の下で絵巻物のように映るのだ
あれだけの震災、津波被害を受けながら、そこは別の世界だった
しかし、そのあとに港のほうに行って現実に引き戻された
交差点の信号機が場所によって点灯していない
これだけでも異常な感じだった
広場ががれきだらけになっていて、港では岸壁に打ち上げられた船がそのままになっていた
町も、交差点ごとに「震災ごみ」が積まれていた
とてもカメラを向ける気にはならなかった
その状態は多賀城市も同じだった
海辺の町は、みんなやられた
震災ごみの間を、はしゃぎながら通り過ぎていく高校生たちがいる
それがまた、「現実の光景」であることを知らされる
多賀城市で、仙台東部道路の「仙台港北インター」から入って、帰ることにした
しばらく走ったら、テレビで見た光景がずっと続いた
海岸は3-4キロほど先なのだが、そこまで見える
もともと大半が田んぼだとはいえ、地平線が、なんの障害物もなく、ずっと見えるのだ
地面は茶色か焦げ茶色の土砂
ところどころに丸太がある
いまだに浸水しているところもある
いったい、この光景はなんだろう
ぽつんと残ったビルのほかは何もない
まさに、富山大空襲後の白黒の写真に似ていた
帰り道、サービスエリアで「がんばろう 東北」と書かれたお菓子をいくつか買った
何もできない自分
せめて、そうしたものを買って、気持ちを表したい
それだけである