息子の時計の修理について以前書いたが、今度は自分の時計の話である
約20年ぶりに電池を入れ替えたところ、息を吹き返したのだ
ぼろぼろの時計だが、なぜかまぶしい
 
1986年だったか、天文雑誌の広告で見た腕時計を買った
星空が忠実に描かれ、時間とともに動く
それも正確に、だ
持ち運べるプラネタリウムと言えばいいのか、宇宙を腕に巻くというのかー
 
イメージ 1「コスモサイン」
シチズンが出した天文時計である
詳しく言うと、買ったのは「北緯35度全天表示用」という代物で、定価は34千円だ
当時としては(いや、今も)身分不相応だったかもしれないが、その機能にひかれた
4.5等星以上の明るさの恒星710個と、主な星座、天の川、黄道を表示する
当然のことながら時計は恒星時(約24時間)、星空の表示は太陽時(約23時間56分)で動く
 
そんな夢の時計だが、小さな文字盤だけに実用上は厳しいものがある
表示をもとに星座を探したことなどはない
あくまでも、気分のものと言っていいかもしれない
 
時計バンドを何度も換えてまで使うなどしていたが、電池切れで動かなくなり、裏ぶたを開けたためか電池も紛失してしまった
つまり、どんな種類の電池なのかも分からなくなり、約20年が経った
金色の外周は一部、穴が開き始め、バンドもぼろぼろのまま
机の引き出しでひっそりと眠っていた
 
ところが、である
「断捨離」をしていたら、ひょっこりと取扱説明書が出てきたのだ
電池は、SR626SWということも分かった
とたんにコスモサインに魂を吹き込みたくなり、ネットで送料込み260円の電池を手に入れた
 
イメージ 2メール便で届いたのをすぐに入れてみたが、なにやら、中の歯車の一部は動き始めたものの、ほかの歯車がギシギシしているようだ
残念ながら、秒針も動かない
「やはり、だめなのか―」と思いつつ、しばらく放置した
そしたら、なんと動き始めたのである
今のところ、星座盤は合わせていないが、時刻は正確のようだ
宇宙は永遠なり―である
 
余談だが、取扱説明書は冊子のようになっており、「銀河を腕に」というタイトルで、吉成真由美さんがコスモサイン活用術を書いている
この人、NHKディレクターとして幼児番組を担当していた人だ
局を辞めてマサチューセッツ工科大学(MIT)に留学しているときに、これを書いた
 
実は、その説明書ではあまり気にも留めなかったが、後年、吉成さんがニュースで報じられて、「あっ、あの人だ」と思い出した
ノーベル賞を受賞した利根川進氏と結婚したのだ
利根川氏は、富山県の大沢野小学校、大沢野中学校で学んでいたこともあり、身近に感じていただけに、より驚いたのである
 
さて、コスモサイン
息を吹き返したら使ってやらねばなるまい
とりあえず、時計バンドをどこかで入手して、交換である
なんとなく、心弾む
再び、「宇宙を腕に巻く日」は近い