冬の間、閉ざされていた有峰林道が7月1日、開通した岐阜県境に近い富山県南部の山岳地帯を走る林道だ
とはいえ、富山側からのメーンの林道である小見線は、落石のため今年の供用を見送った
つまり、小口川線のみの開通である
実は、有峰林道の開通をすっかり忘れていた
だが、今朝のテレビで報じたため、本日の予定はないし、急きょ出かけることにしたのだ
もちろん、相棒は愛車の大型スクーター、92年型フュージョンだ
小口川線も全線舗装とはいえ、1車線のうえに、つづら折りだからスピードは出ない
林道に入る直前に、大型ダンプの運転席から右手が出て「先に行け」と合図している
お礼のクラクションを鳴らして先に行ったが、料金所で300円(二輪)を払っている間にまた抜かれた
ところが、すぐ先の片側通行のトンネルの赤信号で待っていたダンプから、また手が出て「先に行け」である
ダンプの先に回らせてもらってから、後ろを振り向いて、ひとしきり話をさせてもらった
運転手さんいわく「きょうはたくさん(山へ)上っているよ。山菜採りの車が路肩に停まっているから、気をつけてね」
お遍路しているときにも感じたことだが、運転手さんや、道路工事の交通整理をしている人たちは、あいさつは欠かさないし、実に優しい
薄汚い遍路にも丁寧に言葉を掛けてくれ、うれしかったのを覚えている
逆に、一番、あいさつをしてくれなかったのは、ネクタイを締めたサラリーマンたちであった
そんなことを思い出しながら、狭い林道を走る気温は23度ぐらいだから、快適だ
いきなり路肩に雪の塊が現れた
幅は6-7mぐらいあろうか
吹きだまりのうえに、日陰だったのだろう
7月1日でも、雪が残っているのがなんだかうれしい
思わず、「来たぞ」と雪の塊に声を掛けてしまった
小口川線は、祐延湖(すけのぶこ)が峠のピークである
そこから有峰湖へは下り坂
途中、湖が見渡せるところがある
奥には、薬師岳(2,926m)がそびえる、ビューポイントだ
この日は、山がすっきりとは見えないが、まずまずだろう
路肩にスクーターを停めて、カメラを取り出し、パチリだ
あちこちでスクーターを停めて風景を眺めていたため、有峰湖の手前の信号待ちで、また例のダンプが後ろに来た
この信号は有峰ダムの堤頂部(高さ140m)を走る道路が一方通行のために設けられており、これも通常信号より長い
そこで、運転手さんが下りてきて、また会話
どうやら、山奥の工事現場へ砂を運ぶ最中だそうだ
「街中よりいいよー。年のせいかエアコン掛けていると、体が痛くなる。山だと、窓を開けているだけで涼しいからね」
そんな話を聞くと、物見遊山のこちらとしては、ちとつらい
青信号で先に発車して、有峰湖の湖畔に着いた
俗世間とは違う、真っ青な空、そしてまぶしいくらいの白い雲
それだけでも満足だ
しかし、運転手さんが言っていた山奥にひかれ、さらに6キロ先の折立まで、フュージョンを走らせたここは、薬師岳の登山口である
同時に、左手方向に舗装路はまだ続くが、一般車両の通行は禁止されている
実は、新聞社に勤めているときに、この先へ何度か行った
いや、新聞社を辞めてからも、頼まれ原稿の取材で、奥山に入ったことがある
本当に北アルプスの奥山とはいえ、結構道が整備されていることに驚かされるのである
車両に乗ったまま、山に分け入ることに、不思議な感覚が芽生えるのだ
戻ろうとしたらヘリの爆音がしたすぐ目の前に下りてくる
どうやら山小屋の開設準備に荷揚げ作業が行われているようだ
山は、人々を迎える季節が始まろうとしている
スクーターに戻ると、ダンプが走って来た
手を挙げて合図したが、運転手さんには分からなかったかもしれない
こちらは、ヘルメットもサングラスも外していたからだ
今年は5,6年ぶりに立山(雄山は3003m)に登ろうか
なんだか、そんな思いが募ってきた