毎朝、NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」を見ている
もともと関心があったのだが、最近は出版というものの大変さに共感し、身につまされているのだ
主人公が出版社を回り、売り込みをするが、聞いてもらえない
ようやく引き受けてもらっても、今度は原稿料が入らない
赤貧のなか、原稿だけは書き続ける
そして、ようやく出版にこぎつけても、今度は売るための苦労だ
貸本屋にチラシを書いてもらい、宣伝に努める
つまり、自分の作品を社会に分かってもらうということの大変さが克明に描かれている
身につまされているのは、こちらも同じような思いを日々味わっているからだ
「漂民次郎吉」も版元を探すのに苦労した
出版界は知名度の高い作家の本なら喜んでつくる
リスクなくして、収益が見込まれるからだ
逆に無名作家では、出版はバクチとなるから、敬遠される
いや、有名人でも断られることもある
島田洋七さんの「がばいばあちゃん」も最初、出版社を40社ぐらい回ったがすべて断られ、3000冊を自費出版して、1冊ずつ手売りしたという
芸能人の貧乏話は売れないという定説が出版界にあったからだ
それが一転してヒットを続けたせいか、中学生ホームレスや、貧乏アイドルまで登場した
いずれにしろ、こうした出版不況のご時世に、「漂民次郎吉」を世に送り出せたのは福村出版の石井社長に感謝するしかない
そして、本としてちまたに出回れば、今度は本屋さん回りをして置いてもらうように頼みに行かなくてはならない
待ちの姿勢ではだめなのだ
ただ、昨日、大手の全国チェーンの状況をネットで見たら、札幌から那覇まで主要書店に在庫があることが分かった
これには、少し安どしている
なにしろ、毎日270冊ぐらいの新刊本が出ると、以前見た本に書いてあった
大半は、書店に並ぶこともなく、消えていくのだから、ありがたいと思う
さて、今日は、KNBラジオ「朝生」の出番だった
本題に入る前、木下アナから「次郎吉の反響はいかがですか?」と聞かれた
「おかげさまで読んでいただいた人からは、サスペンスドラマを見ているようだ、知らなかった、面白いと好評ですが、問題点がひとつ。それは読んでいない人や、本の存在を知らない人が多いということ」と答えた
まさに、そこなのである
読まれなければ伝わらない
売れるのを願っているのはもちろんだが、それより「次郎吉たちを知ってほしい、こんなすごい人物がいたのだ」という思いが強い
なかには「いい本なら必ず浸透していくはず」と慰めてくれる人もいる
その言葉を励みに、こちらも力を尽くすだけだ
朝生の本題のほうは、いつもと違って政治の話
普天間問題を10分間「演説」してしまった
もっと、スポンサーの喜びそうな話題にすればよかったのかもしれないが、沖縄の基地問題も歴史的な経緯があってこうなったと伝えたかった
おそらくラジオの前で「ひいた」人も多かったかもしれない
楽しいトークが売りの番組で、それをやっちまったのだから
自分のなかで、「伝えたい」「伝えるべき」という過剰な意識があったのだろう
次回もお呼びがかかれば、また、楽しい身近な歴史でも語るつもりではいるのだが―