

北前船・長者丸に乗って遭難し、5か月にわたる漂流と5年の間、異国生活を送った乗組員
その中の次郎吉と太三郎の二人が、東岩瀬(現在の富山市岩瀬)の出身である
岩瀬は今、小さいながらも国際貿易港となっている
特に甲板にあふれるほど積んでいく、ロシアへの中古車輸出の風景は見慣れたものになっている
その岩瀬で昨日から「曳山祭」が始まった
毎年5月17、18日の開催で、各町内が趣向を凝らした行灯(たてもん)を14基を曳きまわす
豪華絢爛ではない
丸太を輪切りにしたような車輪をきしませ、5トンの山車を曳く
寛文年間(1672)に神通川の流れが洪水で変わり、西岩瀬にあった諏訪神社が、この東岩瀬に移された
そのときに神社の用材を運んだのが、曳山の台車の原型という
さらに、上に乗る行灯は、北前船の乗組員たちが津軽で見た「ねぶた」を参考にしたものと言われている
昼は、旧廻船問屋のある街並みなどを優雅に曳いて歩く
夜は「曳き合い」と称するけんか山となる
子供たちも乗ったままの山車同士がぶつかり、さらに山車から伸びた太い紐を、互いに進行方向に曳き合う
「ゴトン(5トン)とゴトン(5トン)で10トンだ」と言われるほど、まさに地響き
その数分間の迫力は、海に生きる男たちの心意気を表している
こんな風景を次郎吉たちも、きっと見たのであろう
観衆のどよめきの中で、170年前の曳山を想像した