不可思議なことがあると、人は非現実的なことを信じてしまう
何でも結び付けて考えるのは、都合のいいように解釈して自分を納得させたり、正当化したいためかもしれない

80歳の誕生日を迎えた母親が、「裏庭にヘビがいる」と朝から大騒ぎだ
私以上にヘビ嫌いである
そのときすぐに、「あのヘビか」と思った

数日前、隣の敷地の車庫付近にいた
細いが長さは1メートルぐらいあるやつだ
怖いもの見たさで、じっと眺めていたら、割とかわいらしい顔をしている
そこで、追い払うこともせず、そのままにした

そのヘビである
やむを得ず、棒を持って行ったら、何だか変だ
舌を出さないし、何より顔色が悪い
棒を近づけたがピクリともしない
死んでいた
外傷はないし、死因は不明だ

棒ですくって、裏の川で水葬にした
意外と重かった
ヘビ嫌いとしては、これが精いっぱいの処理である

そのヘビが死んでいた場所は因縁があった
先週末、母親が裏の車庫の二階から外階段を降りている最中にめまいがして転落した場所である
しばらくは痛さで起き上がることも出来ず、ようやく這うようにして家に入ったらしい
「頭は打たなかったが、腰と尻を打った」という
一時は救急車を呼ぼうかとも考えたほどだ
ところが、少し落ち着いたら、説得しても病院へは行かなかった

見た目より若いとはいえ、相当な年である
普通なら、腰骨か足の骨を折っていたかもしれない
いや、脊髄を損傷していた危険性もあった
だが、今のところ、何とか普通に暮らしている
めまいのほうは後日、病院で診てもらったが、CTの結果「脳はきれいです」とのご託宣である

ヘビの死んでいるのを見て、頭に浮かんだ
「こりゃあ、身代わりになってくれたのだろうか」と

もちろん、偶然を勝手に重ね合わせただけかもしれない
それでもなぜか、信じたいのである