
自宅から気軽に行けるところにも、「弘法大師の清水」というのがある
場所は上市町護摩堂だが山間地であり、車で行くには滑川市東福寺野公園の手前で1車線の林道に入るしかない
時にはカモシカを見かけるし、クマが出ないとも限らない
そんな道だから、知る人ぞ知るという程度である
ところが、この日も車にポリタンクや大量のペットボトルを積んで水を汲みに来る人が絶え間ない
かつて、20キロほど離れた富山駅前からチャーターしたと思われるジャンボタクシー2台に分乗して来たグループを見かけたこともあった
信仰の力はすごいものである
この地の伝説はこうだ
弘法大師がやってきて、水を乞うた
老婆はいそいそと出かけたが、帰りが遅い
ようやく戻ってきた老婆に訳を尋ねると、この地は水に不便をしていて数町離れた渓谷まで下りて行き、汲んできたという
そこで、大師が穴を穿ったところ、水が湧き出てきたというものである
ほかにも、この地は猛獣毒蛇の巣であり、困っていた村人のため大師が護摩を焚き、野獣の放逐を祈ったというのもある
以来、この地を護摩堂と言うようになったという
駐車場の片隅に、なんと雪の塊が残っていた
この冬は暖冬で、平地では全くと言っていいほど降らなかったのに、さすがに山である
林の緑は目に優しいが、黄砂なのか遠くの風景は薄黄色にかすんでいる
かたわらに建つ小さな弘法堂にわずかばかりのお賽銭をあげてから、湧き出る水を手ですくって一口だけ飲んだ
冷たさが口の中に広がった
「リウマチ、神経痛、胃腸、便秘に効能」とある
それより何かご利益があるような気がしてならない
4月1日、新年度が始まった