傍目八目という。縁台のへぼ将棋で、対戦している者より横から口を出すおじさんのほうが冷静なので勝負の展開が見えているということである。

政府税制調査会の本間正明会長(阪大教授)が批判の矢面に立たされている。
経済財政諮問会議の民間議員だったとき「公務員宿舎はすべて売却せよ」と主張していたそうだが、自分は東京・神宮前の国家公務員宿舎にちゃっかりと入っていた。それも夫人でない女性と暮らしているという。

最初に、このニュースを聞いたとき、早く火消しをしないと、問題が大きくなるだろうが、まあ、本間さんのほうで辞任するだろうと思っていた。
ところが、本間氏は会見で堂々と「ホテルに住むより公務員宿舎のほうが安上がり」「(女性とは)誠実に交際をさせてもらっている」と述べ、夫人とは離婚協議中で、ほぼ離婚合意している旨を強調した。

もちろん、女性の件はプライベートなことであり、仕事とは関係のない話である。
だが、娑婆がそれで納得するものではないことは、歴史が証明している。
もちろん、批判が高まっている背景には、政府税調と党税調の綱引きがあって、党が主導権を握りたいとの思惑があるという。確かにそれは要素としてあるだろう。

ただ、驚くのは、安倍首相が本間会長を慰留していることである。
このところ、何をやっても裏目に出る首相だが、これもそうかと思ってしまう。
いや、それでもいい。問題は主義主張を貫くことかもしれない。
たとえば、間違っていても頑固オヤジのように強行突破する。それが小泉さんの長期政権につながった。

だが、安倍さんは清く正しく、間違わず。まるで他人の言うことを素直に聞く優等生を見ている感じがする。
郵政造反議員の復党も、長老たちの言うとおりにOKした。
まじめに、いい子ぶる。それらすべてが自分の首を絞める要素である。このまま行くと、本間問題にしても批判がさらに高まれば首を切るだろう。そして後手後手の批判を免れない。

安倍さんは、もともとタカ派である。それならそれで、自分の意思を通せばいい。中途半端では政権の命を縮めるのは間違いない。

安倍首相の誕生前から、ポスト小泉でなく、ポスト安倍が永田町でささやかれた。来年の参院選の敗北を見越してのことだ。それだけ生き馬の目を抜くような永田町である。委員会での不躾な質問に腹を立てるのではなく、切るものは切る、なんでも自分で決め、意志を通す。そんなしたたかさで生き抜いてほしいものだ。