「筆を折る」という言葉がある。
文筆を業とする人が、文を捻じ曲げなくてはならないような状況に置かれたとき、執筆をやめることを指す。
つまり、作家の命を捨てても自らの信念を貫く。
それだけ誇りを持っているということでもある。

郵政造反組の復党会見というのをテレビで見た。
会見に出てきたのは4人だけ。
確かに出にくいだろう。
何を言おうと言い訳にしか聞こえないことは、彼らも承知しているだろう。

自民党も変な道に入り込んだものだ。
森元首相と青木参院議員会長が復党問題を仕掛けたという報道があるようだが、安倍首相も悩みに悩んで、結果的に迷走したらしい。
元々、安倍氏の首相就任前から、永田町ではポスト小泉どころかポスト安倍がささやかれていた。
来年夏の参院選での自民党敗北を予想する向きがあるからだ。
だからこそ、参院選は絶対に負けられない。国民の反発があっても郵政造反組を復党させ、力を借りるしかない。
まあ、こんな状況だろう。

これで支持率は大幅低下するのだろうが、政権中枢とすれば「人のうわさも75日」で、国民が早く忘れてしまってくれることを祈っているだろう。

ただ、造反組の会見というのは、自民党の意思に反して逆効果だったような気もする。はっきり言って醜いからだ。日本人は潔いことに共感する。
文士は筆を折るが、政治家は信念を折る。