滋賀県知事選は関心もなかったのだが、3党相乗りの現職を破って、社民支持の女性知事が当選したのには驚かされた。現職の選挙戦術の失敗もあるようだが、なにはともあれ、既成概念や長いものに巻かれろという意識から脱却した市民感覚の勝利と言えるだろう。
全国で5人目の女性知事となった嘉田由紀子さんは京都精華大学教授。専門は環境という。もちろん行政経験はない。いや、トップに立つものは行政経験などいらない。県庁という立派な組織がサポートしてくれるからだ。一番必要なのは、ものの考え方である。
嘉田さんは「もったいない」を合言葉に戦ったそうだ。東海道新幹線の新駅を滋賀県に造ろうとする計画に対して、凍結を主張した。そんなお金があれば福祉に回すという考え方だ。これまで地方は、大型の公共事業に対してもろ手を挙げて推進してきた。直接金が落ちるし、生活が便利になる、豊かになる-という考え方だ。それは政界や経済界の要望であり、地方全体の要望とも見られてきた。しかし、反対も根強いのである。特に小泉改革の負の側面である格差が生じてきた今、そうした声が少しずつ大きくなってきたのかもしれない。
たとえば、イギリスが老大国病に陥ったときに、鉄の女・サッチャー氏が大規模な規制緩和を実施し経済を復活させた。おかげで国際競争では勝ったが、国内では貧富の差が広がり、その後の選挙では保守党が敗北、トニー・ブレア氏率いる労働党の政権となった。もちろん、労働党と言っても、昔の労働組合によって支えられた左翼政党のままではない。市民によるニュー労働党である。それでも間違いなく貧富の格差が政権を変えたのである。
今回、滋賀知事選の背景には、国も地方も借金まみれなのに、大型公共事業は「もったいない」という意識が県民にあることをはっきり示した。と同時に民主党が何を考えていたのか分からないという感じも受ける。中央では小沢新代表のもと、与党との対決姿勢を強めて存在感を示すはずだったが、滋賀県連がすでに現職の推薦を決めていて、党本部もしぶしぶ承諾した。中央と地方の意識ギャップは他党でも拡大しつつあるが、そんな甘さが露呈したのだ。イギリスの労働党のようにはまだまだなれないのである。
全国で5人目の女性知事となった嘉田由紀子さんは京都精華大学教授。専門は環境という。もちろん行政経験はない。いや、トップに立つものは行政経験などいらない。県庁という立派な組織がサポートしてくれるからだ。一番必要なのは、ものの考え方である。
嘉田さんは「もったいない」を合言葉に戦ったそうだ。東海道新幹線の新駅を滋賀県に造ろうとする計画に対して、凍結を主張した。そんなお金があれば福祉に回すという考え方だ。これまで地方は、大型の公共事業に対してもろ手を挙げて推進してきた。直接金が落ちるし、生活が便利になる、豊かになる-という考え方だ。それは政界や経済界の要望であり、地方全体の要望とも見られてきた。しかし、反対も根強いのである。特に小泉改革の負の側面である格差が生じてきた今、そうした声が少しずつ大きくなってきたのかもしれない。
たとえば、イギリスが老大国病に陥ったときに、鉄の女・サッチャー氏が大規模な規制緩和を実施し経済を復活させた。おかげで国際競争では勝ったが、国内では貧富の差が広がり、その後の選挙では保守党が敗北、トニー・ブレア氏率いる労働党の政権となった。もちろん、労働党と言っても、昔の労働組合によって支えられた左翼政党のままではない。市民によるニュー労働党である。それでも間違いなく貧富の格差が政権を変えたのである。
今回、滋賀知事選の背景には、国も地方も借金まみれなのに、大型公共事業は「もったいない」という意識が県民にあることをはっきり示した。と同時に民主党が何を考えていたのか分からないという感じも受ける。中央では小沢新代表のもと、与党との対決姿勢を強めて存在感を示すはずだったが、滋賀県連がすでに現職の推薦を決めていて、党本部もしぶしぶ承諾した。中央と地方の意識ギャップは他党でも拡大しつつあるが、そんな甘さが露呈したのだ。イギリスの労働党のようにはまだまだなれないのである。