聞きたいことがあって、社会保険事務所に電話した。その電話は最初から総務課につながっていて、女性が出た。質問の趣旨を言うと、いたく丁寧に答えてくれた。それでもなお、しつこく聞くと、
「少しお待ちください」と言う。
てっきり電話を回されるのかと思っていたら、「お待たせしました」と再び同じ女性が電話口に出て、上司に聞いたのか明確に答えてくれた。民間並みに言葉遣いもきちんとしていた。おかげで、この役所をかなり見直した。
というのも、これまで社会保険事務所から届く書類は、わざと書けないように難しくしているのかと思うほどだったし、手続きが終わってしばらく経ったのに行き違いになることもあった。さらには、一部の面倒な仕事を下請けに回していることも分かったからだ。
書類の難解さについては社会保険事務所に限らない。役所に出す文書はたいてい担当の役人だけが分かっていて、それに書き込む人間のことを考えていない。いちいち問い合わせに答える労力を考えれば、最初から分かりやすい書類にするべきだが、なかなか改善されない。せいぜい国税当局の確定申告がネットでやると分かりやすいという程度である。税金の徴収という費用対効果を考えると、自然とそうなるのであろう。
話が横道にそれたが、社会保険庁は金の使い方や不祥事などをめぐっていろいろと批判を受け、改革が進んでいるのだろうと思っていた。いや、間違いなく内部的に厳しいお達しが出ているのだろう。それで、冒頭のような丁寧な対応にもつながったのかもしれない。
ところが、組織的に厳しくしたら、とんでもない不祥事が明るみに出た。年金保険料の未納者が増加していることに対応を求める大号令が出たら、勝手に保険料免除や猶予の書類を作って未納者を減らしていた事務所があった。
そんなマジックを使えば確かに未納者割合は減る。つまり、何の改善にもなっていないが見かけの数字だけをごまかしたのである。さすがに頭がよい人たちは、発想も豊かなんだなあと思ってしまう。
これが組織ぐるみなのかどうかは知らない。しかし、個人であれ、組織であれ、こうしたやり方を一般社会ではインチキという。
組織の建て直しに懸命になっている職員にとっては、あまりにも情けない出来事で、冷水を浴びせられたようなものかもしれない。電話応対できちんとした対応を取った事務所があったことを評価していた矢先だけに、改革が一筋縄ではいかないことを痛感する。
「少しお待ちください」と言う。
てっきり電話を回されるのかと思っていたら、「お待たせしました」と再び同じ女性が電話口に出て、上司に聞いたのか明確に答えてくれた。民間並みに言葉遣いもきちんとしていた。おかげで、この役所をかなり見直した。
というのも、これまで社会保険事務所から届く書類は、わざと書けないように難しくしているのかと思うほどだったし、手続きが終わってしばらく経ったのに行き違いになることもあった。さらには、一部の面倒な仕事を下請けに回していることも分かったからだ。
書類の難解さについては社会保険事務所に限らない。役所に出す文書はたいてい担当の役人だけが分かっていて、それに書き込む人間のことを考えていない。いちいち問い合わせに答える労力を考えれば、最初から分かりやすい書類にするべきだが、なかなか改善されない。せいぜい国税当局の確定申告がネットでやると分かりやすいという程度である。税金の徴収という費用対効果を考えると、自然とそうなるのであろう。
話が横道にそれたが、社会保険庁は金の使い方や不祥事などをめぐっていろいろと批判を受け、改革が進んでいるのだろうと思っていた。いや、間違いなく内部的に厳しいお達しが出ているのだろう。それで、冒頭のような丁寧な対応にもつながったのかもしれない。
ところが、組織的に厳しくしたら、とんでもない不祥事が明るみに出た。年金保険料の未納者が増加していることに対応を求める大号令が出たら、勝手に保険料免除や猶予の書類を作って未納者を減らしていた事務所があった。
そんなマジックを使えば確かに未納者割合は減る。つまり、何の改善にもなっていないが見かけの数字だけをごまかしたのである。さすがに頭がよい人たちは、発想も豊かなんだなあと思ってしまう。
これが組織ぐるみなのかどうかは知らない。しかし、個人であれ、組織であれ、こうしたやり方を一般社会ではインチキという。
組織の建て直しに懸命になっている職員にとっては、あまりにも情けない出来事で、冷水を浴びせられたようなものかもしれない。電話応対できちんとした対応を取った事務所があったことを評価していた矢先だけに、改革が一筋縄ではいかないことを痛感する。