工事で遠回り
少しメモをまとめていたりして、珍しく眠れない夜だった。うとうとしていたら朝になっていた。ウグイスが鳴いている。「チッチッチッチ」という鳥の声も聞こえる。窓の外には青々とした連山が見える。あらためて「四国へ来たんだなあ」という思いをかみしめていた。
きょうは「六十六番札所・雲辺寺(うんぺんじ)」からスタートする。朝ご飯の際、典彦さんと話していると、災害復旧工事のため、ここから直近のルートは通行止めだと聞いた。私の歩き遍路用の地図では分かりにくいからと、道路地図も持ってきて説明してくれた。
それによると、いったん国道三七七号線まで戻り、そのまま県道二四一号線に入る。そこから県道八号線を走って山間部に入り、トンネルの手前で左折して行けば行けると分かった。本当に遠回りである。こちらの地図に分かれ道などのポイントを書き込み、万全の体制で発車した。
きょうも朝から日差しが強いので、白装束のほかに、女性ドライバーが日焼け防止に使う、腕カバーをする。さらに白いタオルで覆面だ。里美さんがボクの格好を笑って見ている。若者と違って日焼けするとヒリヒリと痛む。仕方がないのである。自分でも大笑いだが、前年の遍路以来、どうも格好を気にしなくなった。「いったい、それがどうした」という気分になったのだ。
たとえば、人はいろんなことで悩む。しかし、心の持ち方さえ自分でコントロールすれば悩みの大半は消えて行く。きのう見た「教え」ではないが、「苦しくとも苦しまない」。まさにその通りなのだ。それが仏教で言う「解脱」なのかもしれない。
フュージョンは山道を右に左にカーブを切り、徐々に高度を上げていく。通行する車はほとんどない。あとは道にヘビが出てきていないかの心配ぐらいである。
トンネルはすぐに分かった。右手に見えた。これは帰りに通るもので、ここは左へ向かう。一車線の道は、だいたい尾根伝いのようだ。この尾根は香川県と徳島県の県境である。よく考えると県境に沿って走るルートも少ないと思う。
前方に四トントラックが走っている。狭い道でカーブの連続なのに、対向車が来ることなどあり得ないと思っているかのような飛ばしかただ。普通、こうした山道はバイクのほうが速いのに決まっている。だが、なかなか追いつけない。工事現場が見えて、ようやくトラックは停まり、また一人旅になった。(つづく)
少しメモをまとめていたりして、珍しく眠れない夜だった。うとうとしていたら朝になっていた。ウグイスが鳴いている。「チッチッチッチ」という鳥の声も聞こえる。窓の外には青々とした連山が見える。あらためて「四国へ来たんだなあ」という思いをかみしめていた。
きょうは「六十六番札所・雲辺寺(うんぺんじ)」からスタートする。朝ご飯の際、典彦さんと話していると、災害復旧工事のため、ここから直近のルートは通行止めだと聞いた。私の歩き遍路用の地図では分かりにくいからと、道路地図も持ってきて説明してくれた。
それによると、いったん国道三七七号線まで戻り、そのまま県道二四一号線に入る。そこから県道八号線を走って山間部に入り、トンネルの手前で左折して行けば行けると分かった。本当に遠回りである。こちらの地図に分かれ道などのポイントを書き込み、万全の体制で発車した。
きょうも朝から日差しが強いので、白装束のほかに、女性ドライバーが日焼け防止に使う、腕カバーをする。さらに白いタオルで覆面だ。里美さんがボクの格好を笑って見ている。若者と違って日焼けするとヒリヒリと痛む。仕方がないのである。自分でも大笑いだが、前年の遍路以来、どうも格好を気にしなくなった。「いったい、それがどうした」という気分になったのだ。
たとえば、人はいろんなことで悩む。しかし、心の持ち方さえ自分でコントロールすれば悩みの大半は消えて行く。きのう見た「教え」ではないが、「苦しくとも苦しまない」。まさにその通りなのだ。それが仏教で言う「解脱」なのかもしれない。
フュージョンは山道を右に左にカーブを切り、徐々に高度を上げていく。通行する車はほとんどない。あとは道にヘビが出てきていないかの心配ぐらいである。
トンネルはすぐに分かった。右手に見えた。これは帰りに通るもので、ここは左へ向かう。一車線の道は、だいたい尾根伝いのようだ。この尾根は香川県と徳島県の県境である。よく考えると県境に沿って走るルートも少ないと思う。
前方に四トントラックが走っている。狭い道でカーブの連続なのに、対向車が来ることなどあり得ないと思っているかのような飛ばしかただ。普通、こうした山道はバイクのほうが速いのに決まっている。だが、なかなか追いつけない。工事現場が見えて、ようやくトラックは停まり、また一人旅になった。(つづく)