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 古戦場
 次は、向かいの山にある「八十四番札所・屋島寺(やしまじ)」。いったん山を下りて、国道一一号線に戻り、六キロほど離れた屋島に向かう。高松市中心部が近いから、国道は片側三車線となり、道も混んでいる。有料道路の屋島ドライブウエイがあるから、すぐに曲がり角は分かった。ゲートで四三〇円を支払う。天気も回復し、すっかり暑くなったが快適なコースだ。

 屋島は言うまでもなく、源平の合戦で有名な檀ノ浦(最後の合戦が行われた山口県下関とは別)に近い観光地でもある。標高二八四メートル。頂上から眺める古戦場に思いをはせ、ここに立っていることの不思議ささえ感じる。
 駐車場は、だだっ広い。すいていたので、お寺に最も近いところにフュージョンを停めた。またもや歩きとは反対側からのアプローチとなる。本堂は鎌倉後期創建だという。建物の真ん中が割れたユニークな形の宝物館があるが、今回は遠慮した。

 そろそろ、今晩の宿を決めなくてはならない。前回泊まって気に入った「きらら」という温泉施設が高松市郊外にある。早速、境内から電話をしようとしたが圏外だった。フォーマの通話エリアは市街地だと問題ないが、ちょっと離れると、まだまだのようだ。
 山を下りてきてから、道のたもとにフュージョンを停めて電話すると、「お一人ですか。大丈夫です」との返事だった。いつものことだが、こうした返事をもらうと、ホッとする。

 国道一一号線を西に走り、高松市中心部をかすめて北上、高松自動車道の下をくぐり、国道一九三号線に入る。右折して県道一二号線を二〇〇メートルほど行けば、右手に「きらら」が見える。きょうは、まだまだ時間があるので、そこを通り越して、「八十三番札所・一宮寺(いちのみやじ)」と「八十番札所・国分寺(こくぶんじ)」を打ってから、宿に入る予定だ。

 一宮寺は、交通量の多い県道一二号線をちょっと入ったところにある。幹線からあまり離れていないのにかかわらず、静かな環境で高松南高校のそばだ。参道右手には青々とした田んぼが広がる。
 一の宮とは、それぞれの国でもっとも由緒ある神社だが、神仏習合で寺が設けられた。讃岐(香川県)がこのお寺で、あとは阿波(徳島県)が「十三番札所・大日寺(だいにちじ)」、土佐(高知県)が「三十番札所・善楽寺(ぜんらくじ)」、伊予(愛媛県)が「五十五番札所・南光坊(なんこうぼう)」である。

 一宮寺は比較的小さなお寺だが、見事な大楠がある。そんな境内の風情をベンチに座って楽しみ、セミの鳴き声を聞いていた。なんだかとろけていくような雰囲気だった。(つづく)