雨具とバッグ
バイクとの出会いは、七〇年代にダックスホンダに乗ったのが最初だ。学生時代、東京にいて中古車店を回ってみたが、値段が高くなかなか買えない。一年後、ようやくアルバイトをしたお金で新車を買った。自転車と違い、スロットルをひねるだけで思うがまま走らせることができたという感動は忘れることが出来ないし、今もそれは続いている。
休止期間を経てスズキのトレール、ホンダのアメリカンと乗り継ぎ、バイク暦だけは長い。スクーターに乗り換えたのは、もちろん、楽チンだからである。
それまでは、「ギヤチェンジがあるからこそ、バイクは楽しい」と思っていたのだが、年を取るとともに面倒になってきた。考えてみれば、車もそうだ。マニュアル車にこだわっていたが、あるとき、セールスマンに勧められてオートマチック車にしたら、あまりの楽チンさに、以来、ずっとオートマである。もう二度とマニュアル車を買おうとは思わなくなっている。
二輪車のほうは、運転がちっともうまくならないから、かえって無事故無違反の安全運転である。いや、それだけ乗っていないということでもあろう。
五二歳で早期退職し、新たな人生を歩み始めたとき、時間だけはたっぷりと持てるようになった。「金持ち」にはなれないが「時間持ち」になったのである。これからは、もっとフュージョンを可愛がろう。そんな気持ちもあった。
四国八十八カ所の巡礼ツーリングにあたって購入したのは、ディスカウントストアで見つけた雨具(三九八〇円)と、ドラム型のスポーツバッグ(二〇七九円)だけである。これまで雨の日は乗ったことがない。しかし、長距離ツーリングでは必要不可欠だ。そこで、できるだけ安全運転に配慮して濃い黄色を選んだ。
バッグを買ったのは、これまで後部に大きなケースを取り付けていたが、外してしまっていたからである。なぜかというと、支柱は細いアルミ製で長距離となると強度に不安がある。いや、それよりも、タンデム用のグリップを固定するボルトを利用して自分で取り付けた安直なもので、腕を前に伸ばして物を持っているような状態だったからだ。折れ曲がったり、ボルトが外れたりすると終わりである。(つづく)
バイクとの出会いは、七〇年代にダックスホンダに乗ったのが最初だ。学生時代、東京にいて中古車店を回ってみたが、値段が高くなかなか買えない。一年後、ようやくアルバイトをしたお金で新車を買った。自転車と違い、スロットルをひねるだけで思うがまま走らせることができたという感動は忘れることが出来ないし、今もそれは続いている。
休止期間を経てスズキのトレール、ホンダのアメリカンと乗り継ぎ、バイク暦だけは長い。スクーターに乗り換えたのは、もちろん、楽チンだからである。
それまでは、「ギヤチェンジがあるからこそ、バイクは楽しい」と思っていたのだが、年を取るとともに面倒になってきた。考えてみれば、車もそうだ。マニュアル車にこだわっていたが、あるとき、セールスマンに勧められてオートマチック車にしたら、あまりの楽チンさに、以来、ずっとオートマである。もう二度とマニュアル車を買おうとは思わなくなっている。
二輪車のほうは、運転がちっともうまくならないから、かえって無事故無違反の安全運転である。いや、それだけ乗っていないということでもあろう。
五二歳で早期退職し、新たな人生を歩み始めたとき、時間だけはたっぷりと持てるようになった。「金持ち」にはなれないが「時間持ち」になったのである。これからは、もっとフュージョンを可愛がろう。そんな気持ちもあった。
四国八十八カ所の巡礼ツーリングにあたって購入したのは、ディスカウントストアで見つけた雨具(三九八〇円)と、ドラム型のスポーツバッグ(二〇七九円)だけである。これまで雨の日は乗ったことがない。しかし、長距離ツーリングでは必要不可欠だ。そこで、できるだけ安全運転に配慮して濃い黄色を選んだ。
バッグを買ったのは、これまで後部に大きなケースを取り付けていたが、外してしまっていたからである。なぜかというと、支柱は細いアルミ製で長距離となると強度に不安がある。いや、それよりも、タンデム用のグリップを固定するボルトを利用して自分で取り付けた安直なもので、腕を前に伸ばして物を持っているような状態だったからだ。折れ曲がったり、ボルトが外れたりすると終わりである。(つづく)