今朝は瀬戸内寂聴さん
「人生で悩まないための12カ条」をご紹介します。
1.歩み寄る気持ちが大切
この世の中に自分と同じ人間など初めからいないんです。
自分の好みと同じものを相手に要求するから、イライラするんですね。
まず他人は自分と同じでないという観点に立ってください。
お互いが極端と極端にいても、歩み寄れば真ん中あたりで妥協し、許すことができる。
あるいはまた自分のことも許してもらうことができるんです。
2.静かな心で判断する
迷うのが人間で、迷わない人などありません。
人間の心の中には、たくさんの煩悩、つまり欲望がつまっている。その欲望は
炎を出してメラメラと燃えているので、心を焼かれ、身を焼かれ、辛い思いをする。
だからその煩悩の炎をまず静めて、静かになった心で物事を判断すれば
ちゃんとした理性が返ってきて、自分の取る方向が自然にわかってくるのです。
3.視点を変えれば短所も長所
人間はそれぞれ自分の物差しを持っています。
私はあの人嫌いと思っても、その人が他の人たちには好かれたり、社会的に有能な人だったりするでしょう。
世の中には自分以外の物差しが沢山あるということを忘れないで。
どんな人でも全部悪いって人はいませんよ。よく見たらどこかいいところがあります。
そのいいところに目をつけて、そこを好きになりましょう。
4.小さな欲望で満足する
自分の身の丈にあった望みをいだくことですね。
そうすれば欲求不満にならない。私たちはそれを忘れて、到底自分の手に入らないものを欲しがるんですね。
夫は普通のサラリーマンなのに、私の誕生日にダイヤモンド買って、今度はミンクのコートが欲しいわなんて、
そういうのは高望みです。
小さな欲望でも満足することがあれば
幸せなんですから、そのことに感謝してください。
5.自分を好きになる
人間はひとりひとりが、この世にたった一人のかけがえのない命をもらって生きているんです。
あなたという人は代わる人はいないんですよね。
あなたが値打ちのある人だから、この世に送り出されてきている。
私には何かいいところがあるから、役に立つから生れたんだと思えば、自分をダメ人間と思い込むことはないと思うんですね。
6.相手の立場になって考える
人との付き合いがうまくいかないという相談をよく聞いてみますとね、
その人は自分が非常に素敵だと思ってるんですね。
頭がよくって、仕事にも能力があって、だから側にいる人がぐずぐずしてると腹が立つ。
口に出さないでも顔に出てるから、相手が感じて付き合いたくないわと思います。
人をバカにしたり軽蔑したりする自分が嫌いということに気づいて欲しいんですね。
7.世の中は不条理と認める
昔から良いことをすれば良い報いがあると教えられましたが、必ずしもそうではないんですね。
本当にいい人が不幸に苦しんだり、自分のことしか考えない嫌な人に、いいことばかり重なったりする。
どうしてこういう世の中なんだろうと腹が立ちますけれど、不条理の世の中だからこそ、
私たちは哲学や宗教や芸術を求めるんですよ。
8.運命を受け入れる
「愛別離苦」愛する人と分かれる苦しみの中で、子どもを亡くす「逆縁」が最も苦しい。
この世に生まれてきた以上、愛する人に死に分かれなければならない運命にあることを私たちは覚悟しなければなりません。
悲しみに溺れて自分を失ってしまわず、亡くなった人の魂が安らぐように、
残された自分の命のある限り、精一杯生きてこの世のために尽くさなければならないということを認識すべきだと思います。
9.先を思い煩わない
やはり死ぬまで健康で自分の身の始末のできるような状態で、秋の木の葉がハラリと木から離れるように、穏やかに死んでいくのが理想ですけど、すべての人がそういうわけにはいきません。
人間は生まれたら必ず老い、病気をし、死んでいくのが避けがたい運命です。
この「生老病死」をいかに上手にやり過ごすかが私たちの生きる智恵のひとつになっているのです。
10.祈れば心安らかになれる
私が見回した限り、信仰を持っている方の死の姿は、実に従容としていらっしゃいます。信仰を持っていない方は、ちょっと思いがけない慌て方をして亡くなる人が多うございます。
人間は死ぬまでに何らかの宗教を身につけた方が、安らかに死ねるんじゃないでしょうか。
私は死ぬことがちっとも怖くはありません。今夜死んでも決して後悔はいたしません。
いつ死んでもいいという覚悟ができたのは、私が出家して信仰を得たお蔭だと思います。
11.今を懸命に生きる
あの時の愚かなことをしたっていう反省はいいけどね、
それをいつまでも愚痴に思っていると、明日に向かって進めない人になります。もう済んだことは、忘れましょう。
私たちは「忘却」という能力を生れた時から与えられているんですね。
日にちが経てば、どんな嫌なことも辛いことも自然に薄らぎ、忘れることができます。
だから人間は生きていかれるんですよ。
12.愛とは想像力
「こんなに尽くしているのに、夫は私を裏切る」
その尽くしている気持ちにすでに傲慢さがあると思うんですよ。
自分の愛を全うさせるために、自分がさせてもらってるんであって、
相手が求めていることをしているのではない。
夫が望んでいないものを一生懸命与えていたかもしれません。
ユーキャン出版部より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます
今朝は小林正観さんの著書よりご紹介します。
今日という日は、2つの特別日が重なっている日です。
生まれたときから今日までの人生を考えたとき、
今日の「私」は、人生の中で最長老の人間です。
もっとも多く経験を積んだベテランですから、その「私」が下す今日の判断は、すべて正しいといえます。過去を振り返って、「あの時ああすればよかった」と思うことは少なくありませんが、そう思えること自体が、自分がそのときより成長したということにほかなりません。
その反対に、今日を含めた未来を考えてみたとき、今日「私」は、もっとも経験の浅い未熟者であることに気が付きます。
つまり、今日という日は、過去の人生の中ではもっとも優れた最高位にある自分であると同時に、未来に向けては、もっとも未熟な最年少の存在である、というその2つの特別日が重なった、非常に特異なる日なのです。
過去の人生についてくよくよ考えたり後悔したりする人は、そのことにエネルギーを取
られるせいか、今のことをあまり考えていないような気がします。
過去に下した判断はすべて正しいのですから、後悔するのはもうやめて、今、生きているこの瞬間を大切にしていくことにしませんか。
「宇宙を解説・百言葉」
小林正観さん
弘園社より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます
今朝は愛知県蒲郡市にアトリエを構え、「言の葉墨彩画家」として、ゆったりとやわらかく優しい詩と絵でたくさんの人たちの心を癒しているひろはまかずとしさんがあるインタビューで語った言葉をご紹介します。
実は私は、子どもの頃から字が下手でした。
普段書く字はもちろん、書道も絵も、通知表の評価ではいつも1か2でした。
そういう人間がいま、言の葉墨彩画家として、たくさんのファンの方々に恵まれ、一定の評価を得ています。
書家や画家の方から一度も非難を浴びたこともなく、むしろそういう人たちの中にも私のファンの方がいます。
この事実は、とても大きな教訓を含んでいると思うのです。
中学時代のある日のことでした。
国語の先生がお休みで、代わりに教頭先生が授業を受け持ってくださったことがありました。
教頭先生は「きょうは習字をやろう」とおっしゃり、字の嫌いな私が憂鬱な思いを抱いていると、教頭先生は半紙を一人二十枚ずつ配り、
「横棒の一だけを書きなさい。
一に決まりはないから、何も考えずにあなたの一だけをひたすら書きなさい」
とおっしゃったのです。
教頭先生は黙々と書き続けている生徒の周りを回り、各々の字を褒めては頭を撫でてくださいました。
私はその時間中に三十回くらい頭を撫でられました。
文字で褒められたことのない人間が、
一という文字を書いただけで褒められた。
私にとっては、目から鱗が落ちるような嬉しい体験でした。
教頭先生は授業の終わりにこうおっしゃいました。
「文字はすべて、この一の組み合わせなんだよ。
だから、素晴らしい一を書ける人間に素晴らしい字が書けないわけがない。
書けないのは、格好いい字を書こうとか、
見本通りに書こうと思うからで、
一本一本思いを込め、愛を込めて書くだけで、
自分にしか書けない素晴らしい字が出来上がる。
このことは、人間の生活すべてに当てはまることなんだよ」
その教頭先生の言葉がいまの私の創作活動、そして人生を支え続けてくれているといっても過言ではありません。
月刊致知より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます