今朝は和田秀樹さんの著書よりご紹介します。
実験心理学の有名な研究に「ピグマリオン効果」と呼ばれるものがあります。
簡単に言いますと、「期待されていると、その期待通りの結果が出る」というものです。
たとえば50人の生徒をランダムに選んで二つのグループに分け、一つのグループは「能力的に期待されている子どもたちのグループ」と説明して教師に指導させます。もう一つのグループはとくに何も説明しません。
すると、期待されている子どもたちのグループは成績が上がっていきます。もう一つのグループとはっきり差がついてしまうのです。
この実験はどんな国や社会でもできますから、幅広く実証されている効果です。教師が子どもたちの能力を信じて期待すれば、その通りの結果が出るのです。つまり教育の場でも「いいこと」を考えると「いいこと」が起ります。
自分についての期待も同じです。
「わたしには能力がある」
「私は運がいい」
「私は成功する」
「私はピンチに強い」
「私は逆転できる」・・・・・・・。
ともかくどんな形でも、自分に期待できる人は最後まで諦めません。そして諦めないことでチャンスが生まれてくるのです。
「ピグマリオン効果」の面白さは、教える立場の教師が暗示にかかることで、その暗示が
生徒にもいい影響を与える点にあります。
「この子たちの能力は優れている」と思えば、教師はその能力を伸ばしてやるのが自分の仕事だと思いますし、「きみたちは、やればできるんだよ」と諦めずに教えることができます。それが生徒の頑張りや、あるいは自信を引き出すのです。
「なぜ、いいことを考えると『いいことが起る』のか」
和田秀樹さん
新講社より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます