「お・も・て・な・し」、一昨年、オリンピック開催都市が決まる最終プレゼンで、
キャスターの滝川クリステルさんが表現したことば。
今朝は鎌田洋さんの著書よりご紹介します。
「おもてなし」と「サービス」の違いってなんでしょう?
「おもてなし」は「サービス」を日本語に言い直しただけで、
意味は同じなんじゃないか、って最初思っていました。
でも、今はそう思っていません。
「おもてなし」は、
「もてなし」に、『お』を付けた丁寧語でもありますが、
もう一つの説として、
「表なし」
とも言われているんです。
「表なし」とは、
『表も裏もない気持ちで、見返りを求めない気配りをする』
という意味です。
日本だからこそ生まれた言葉であると共に、
日本独自の気配りが 『おもてなし』 という表現を生んだのかもしれません。
だから、サービスを日本語に言い直しただけではないかなと、
私は思うんです。
見返りを求めない気配りとは、
相手に気づかれないように気を配るわけですから、
例えば、左利きの人にお食事を出す場合、
箸をそっと左向きにして置く
ディズニーランド内で例えると、
アドベンチャーランドにある、“チャイナボイジャー”というレストランの麺は
伸びにくく製造されていることも、見返りを求めない気配りの一つ。
通常、麺は茹でて間もなく汁を吸ってしまいます。
でも、いつも混雑していることが予想されるディズニーランドでは、
席を取るにも時間がかかってしまうので、
茹で時間を短くして麺を堅く仕上げるのではなく、
麺を製造する段階から伸びにくくするよう工夫されているんです。
知らず知らずのうちに、心地良さを感じている時、
必ずどこかで誰かが気を配っているんですよ。
『サービス』を意味する気配りはその逆で、
相手に気づいてもらうことが前提の行動だと
私は思うんです。
例えば、料金を安くするとか、商品をおまけするとか、目的地まで案内するとか、
気配りを受けている側が、『得』していることを自覚できることを
「サービス」というんじゃないかな。
『ディズニー おもてなしの神様が教えてくれたこと』
鎌田洋さん
SBクリエイティブ社より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます