今朝は松下幸之助さんの著書よりご紹介します。
人間お互いに落ち着きを失ってくると、他人の庭の花がなんとなく赤く見えてきて、コツコツまじめにやっているのは自分だけ、人はみなぬれ手でアワ、楽をしながら何かぼろいことをやっているように思えてならなくなる。
だから自分も何かひとつ思いがちだが、そう世間はゆるさない。
人情として、時にはこんな迷いを持つのもムリはないけれど、この世の中に、決してぼろいことはないのである。
楽なことはないのである。
あるように見えるのは、それはこちらの心の迷いで、ほんとうは、どの人も、やはり一歩一歩地道に積み重ねてきた着実な成果をあらわしているのであ
る。
だから努力もせずにぬれ手にアワみたいなことをやってみても、それは虫が良すぎるというもの。
一時はそれですごせても、決して長つづきはしない。
結局は失敗ということになる。
これがものの道理であって、この道理をはずれた望みを持つのは、それこそ欲が深いというものである。
欲が深いは失敗のもと。
やはり、ものの道理に適った道を、一歩一歩あゆんでいきたい。
「もっと大切なこと」
松下幸之助さん
PHP研究所より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます