
「今朝の収穫」
みやざき中央新聞より
尺八奏者として数多くのアメリカ映画に参加し、
のちに、先進国の家庭崩壊や保育者の役割などをテーマに講演を行っている、
松居和さんのお話です。
今、アメリカでは3人に1人の子どもが、未婚の母から生まれています。
イギリスでは40%、フランスで50%、福祉国家と言われるスウェーデンで60%の子どもが、未婚の母から生まれています。
これはつまり、大量の男たちが自分の子どもの子育てに関わらない状況になっていることを意味します。
子育てというのは、夫婦そろってやってもなかなか大変です。
そこでおじいちゃん、おばあちゃん、隣のおじちゃん、おばちゃんが加わり、
5、6人の大人が1人の子どもを見守り、やっと育てられる。
言い換えると、5-6人の大人が、一つの命に感謝しながら関わり合う、
これが子育てです。
母子家庭が必ずしも悪いと言っているのではありません。
子育てで大事なことは、子どもを育てる以上に、
子育てを通じて親が親らしくなっていく、人間らしくなっていくこと
だと思うんです。
0歳~5歳の子どもに関わるということは、
優しくなるということです。
想像力を身に付けるということです。
人は乳幼児のニーズに応えようと一生懸命努力することで、「親」になっていくんです。
その時期の子どもが何を願っているのか。
何を望んでいるのか。
そのことを必死に理解しようとすることが大事なんです。
そうすることで親心が育っていくんです。
考えてみてください。
幼稚園・保育園・学校という仕組みが、
どれほど不自然に長時間、親子を引き離すか。
これが親が子供を育てられなくなった原因です。
ところが、この国(日本)はまだ家庭という概念が崩れていません。
日本には、「できちゃった結婚」という言葉がある。
日本の男たちはまだ責任感があります。
せっかく家庭という定義が残っているんですから、
欧米を真似をして、追いかけるのではなく、
子どもをつくる支援をすること。
そして、親が子どもとしっかり関われるよう支援すること。
この2つを整備していくことが大切なんです。
「みやざき中央新聞」より。
あなたにすべての善きことか雪崩のごとく起きます