
「白鳥大橋」
今朝は皆さんよくご存知の「ウサギとカメ」のお話が
違った視点で、みやざき中央新聞に紹介されていました。
皆さんが知っている「ウサギとカメ」は、ウサギの方が速かったので、途中で昼寝をした。
その隙にカメがウサギを追い抜いて勝った、というお話です。
このお話の教訓は、
「何事も、コツコツ努力することが大事。どんなに能力があっても、怠け者は負ける」
ということだと思います。
ところが私の母はこう言うんです。
「確かにウサギさんは途中で寝ていた。カメさんはウサギさんを追い抜いて先に山の頂上に着いた。けど、カメさんのとった行動は正しかったのかい?」
僕は、「学校でそのように習いました」
と言ったら、母はこう言いました。
「ウサギさんは本当に怠けて寝ていたのかい?
もしかしたら病気で倒れていたとか、調子が悪くて寝ていたんじゃないのかい?
カメさんはウサギさんの横を通りかかったとき、
『ウサギさん、どうしたの? 気分が悪いの? 大丈夫?』
って声を掛けるべきだったんじゃないのかい?
勝負するんだったら、正々堂々と勝負して、
それで負けたら、それはそれでいいじゃないか。
ウサギさんを起こさないようにこっそり追い抜いて勝って嬉しいのかい?」
僕は高校の時、先生からうすっぺらい本をくれました。
それが論語だったんです。
その先生がおっしゃるには、
「論語を学んでいけば、人から信用される人間になる。
人の道を外さない人間になる。
そして何事にも耐えられる人間になる。
この3つを備えたら立派な人間になる」
というんです。
それから私は何かあったら論語の本を読むようになりました。
そして母から聞いたこと、しつけられたことは論語の教えと共通していまして、
「何事も思いやりを持ちなさい」というものでした。
母のウサギとカメのお話で私は、
どんな状況であっても相手のことを考えることが大事、
ということを教えられました。
そして、これこそ論語の中で一番重要な教えだということが、ずっと後になって大人になってからわかったんです。
元検事・元弁護士・元受刑者・田中森一さん
みやざき中央新聞より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます