
「洞爺湖」
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今朝は、月刊致知7月号より90歳を超えてなお、郵便配達人として頑張っておられる、清水咲栄さんのお話です。
二十年にわたって雪国の郵便配達を続ける中で、
命の危険に直面することが何度かありました。
ある時、配達を終えて歩いていると、突如としてゴォーッという地鳴りのような音が聞こえてきました。
振り返ると、山の上から
物凄い量の雪が襲ってきたのです。
私は慌てて逃げましたが、一瞬のうちに私の背中をかすめて崖下へと流れ落ちていきました。
あと何秒か遅れていたら、間違いなく雪崩に巻き込まれていたでしょう。
それだけではありません。
とてつもない暴風雪が吹き荒れていた時には、どんなに踏ん張っても体が思うように動かず、どんどん崖のほうへと流されていく。
そして崖まであと二メートルという寸前のところでピタッと風が弱まったということもありました。
郵便局の方からは「吹雪の日は大変だから、休んで次の日にすればいいのに」とよく言われます。
しかし、そんなわけにはいきません。
どんなに凄い吹雪だろうと、郵便が届くのを楽しみに待っている人たちがいるのですから。
ある方がこう言いました。
「誰かの笑顔を、この山に住む人々に届け、一緒に喜ぶこと。
誰かの悲しみを、この山に住む人々に伝え、一緒に涙すること。
それがあなたの仕事」
ですから、今日までの二十年、私は天候を理由に休んだことは一切ありません。
しかし、たったの一日だけ、どうしても体が言うことを聞かず、休んだことがありました。
それは一番下の娘が亡くなった日のことです。
そう、父ちゃんが亡くなった時、奇跡的に一命を取り留めたあの子です。
彼女はあの交通事故の後、結婚して幸せな家庭を築きましたが、若くして乳がんを患ってしまったのです。
享年四十六でした。
やはり親としては自分の娘に先立たれるほど切ないものはありません。
こうして振り返ると、人生というのはいいことよりも悪いことのほうが多いものなのでしょう。
しかし、四季が巡ってくるように、厳しい冬の後には必ず春が来ます。
人生という畑に涙の種を蒔けば、その種がいつか喜びの花を咲かせてくれる。
だからこそ、人生は忍耐と努力に尽きる。
それが九十年の人生を通して得られた実感です。
私がよく言っているのは
「ずくを出して頑張らねか」ということ。
“ずく”とはこのあたりの方言で、やる気という意味です。
人生、ずくを出さなければ何もできません。
苦労をともに乗り越えてきた父ちゃんを亡くし、
自分の娘にも先立たれてしまいましたが、ずく一筋で生きてきたからこそ
いまの私があるのではないでしょうか。
「人生という畑に涙の種を蒔けば、その種がいつか喜びの花を咲かせてくれる。」
清水咲栄さん