少子化時代における高校入試・中学入試はオンライン化+総合人物評価ー学力試験は重要な要素の1つと変化しますー

 

前回更新

高校入試・中学入試がオンライン入試に??ーコロナがきっかけ。でもコロナ後も流れは止まらない??

からの続きのお話です。
 

1.大まかな流れ

ざっくり言いますと、学力検査は間違いなくオンライン化します。コロナが収束しても。公立高校・中学校では予算執行などの手続きが私学より複雑ですから時間が私学よりかかることは間違いありませんが、いずれこの流れに乗るでしょう。
 
記述データも今の時代デジタル化が便利かつ簡単にできますから。
 
そして、なぜ佐々木は学力試験のオンライン化が止まらないと考えるのか。
 

2.学校にとって利便性が高いオンライン化入試

IBTだろうがCBTだろうが、デジタルベースで入試の答案を処理すれば、学校にとってその後の生徒に対する学習指導がとても楽になるからです。
 
さらに
中学・小学発行の調査書もデジタル化されれば、鬼に金棒です。
 

3.受験生の「学力以外の情報」収集に積極的な学校

仙台育英学園さんや札幌新陽高校さんなど、デジタル化・オンライン化を進めようとしている学校さんは、
受験生のパフォーマンスやCan Doなどをデジタル化しようとしています。面接も(対面面接に戻っても)収録はー受験生・保護者各位の承認を得つつー続けると考えます。
 
なぜこのように、学力はもとより、パフォーマンスや面接など、周辺事項までデジタル保存することを学校さんが重視するのか。
 
学習指導のみならず、生徒の様々な性質や能力を事前に出来るだけ総合的に把握できた方が、初期の指導がより的確になるからです。
 
ここまで佐々木が(ない頭を使って)考えたことに対して
 
「なんだ、スタートアップの資料作りのデジタル化かい?そんなのに私立はもちろん元々予算のない公立も金を掛けるかねぇ?」
 
とおっしゃる人も出てくるかもしれません。当たり前です。
 
御言葉ではございますが、佐々木はそのようなご意見に対しまして次の通り申し上げます。
 
 
「少子化が入試の性質を変えるのです」
と。
 
どのように変わるのか
 

4.少子化状況の入試は受験生個人にもメリットがあるものに変わる

・「個人を大切にするための」学力検査??

学力検査が「1点をめぐる競争」から「志望校・学科で学ぶ学力の準備がどこまで出来ているのかを調べること」に意味が変化します。
→ランク付けしてある順位より下の受験生を不合格にするというよりも、この学校を志望する受験生が個々にどのくらいの学力を持っているのかを把握するために、学力検査が行われるようになります。
→少子化ですから、順位を付けることが(一部の学校を除いて)余り意味がなくなります。学力検査は「突き落とす」ためのものから「受験生一人一人を入学後に大切にする」ためのものに意味合いが変わっていくのです。
 

・入試は「学力も」「学力以外も」学校が生徒理解をするいいチャンスー受験生の皆さんにとっては自分を客観的に見つめ直すいいチャンスー

高校・中学校にとって、少子化時代にあって生徒が自校を選んでくれることは自校にとって大事な出来事です。そして入学後の生徒が伸びてくれることはそれ以上に大事な出来事です
入学した受験生が
「中学・高校で成長し、満足して次のステップに進んだ」ことが口コミとなり、自校の維持発展につながるからです。
ですから、この原稿で申し上げているとおり、高校・中学は入試時点で(つまり入学前に)一人一人の受験生の情報を出来る限り把握しておきたいのです。そのためにパフォーマンスやプレゼンや面接をしておきたいのです。
 

・「withコロナ・afterコロナ」にオンライン入試を持続可能なものにするにはCBTではなくIBTが現実的

学校(または法人や委員会)が受験生全員のデバイスを自分の予算で用意し、監視もきっちりするCBTでオンライン化を実行することには、人員・予算の見地から無理があります(CBT実施のために人が集まることが「3密」になること以前に、無理無駄が多すぎます)。
(会場でのオンライン入試・CBTのイメージ)
 
やはり受験生個人または家族が保有するデジタルデバイドでオンライン入試にエントリできるIBTが現実的でしょう。保有していない受験生や家庭に対して、貸与すれば良いのですから。
(自宅受験・IBTのイメージ)
 
この佐々木の意見に対して
「IBTだと入試に不公平や不正が生じるんじゃね?」という疑問・反論は、特に公立高校の中でも偏差値の高い高校さんから出てくることは確実です。
ですが「入試の性質の変化」を前提とすれば、そのような意見に反論できます。それはまた次回更新にて。